「みんゴル」新作の不具合報告と、ゲーム業界が抱える「未完成品リリース」という現実


これはニュース読み配信の文字起こしをブログ化したものです


「みんゴル」新作の不具合報告と、ゲーム業界が抱える「未完成品リリース」という現実

国民的ゴルフゲーム「みんなのゴルフ」の新作が、発売日当日に「原因の究明に努める」という異例の声明を発表しました。ユーザーから「遅延がひどすぎてゲームにならない」「フリーズした」といった不具合の報告が相次いだことを受けての対応です。

アップデート前提のゲーム開発

ネット上では、おじさんが乱入してきたり、カップインしたボールが地面を突き抜けてOBになったり、といったユニークなバグの映像も出回っています。こうした状況を見ると、「バグだらけの未完成品を売るな」と怒りたくなる気持ちも分かります。

しかし、これは現代のゲーム開発が抱える、ある種の「現実」なのです。

かつて、スーパーファミコンの時代であれば、バグが見つかればソフトを全て回収し、交換するしかありませんでした。そのため、メーカーは完璧な状態でソフトを発売する必要がありました。しかし、インターネットが普及した今、ゲームは「発売後にアップデートで改善していくこと」を前提に作られています。

開発費は高騰し、スケジュールはタイトになる一方。そんな中で、発売日に間に合わせるためには、ある程度のバグを残したまま「見切り発車」せざるを得ない、というのが多くのゲーム会社の現状なのではないでしょうか。

もちろん、これは決して褒められたことではありません。しかし、ゲームをプレイして命が失われたり、お金がなくなったりするわけではない。そう考えれば、ユーザー側もある程度の寛容さを持って、アップデートを待つという姿勢が必要になってきているのかもしれません。

「SSDが壊れる」デマと、広まらない訂正情報

そして、もう一つ。「バグ」繋がりで、最近話題になったニュースに触れたいと思います。

少し前、「Windows 11の最新アップデートを適用するとSSDが壊れる」という情報がSNSで拡散され、大きな騒ぎになりました。しかし、その後の検証で、この不具合とWindowsのアップデートとの間に関連性はないことが、正式に発表されています。

これが、現代のインターネットが抱える大きな問題です。衝撃的なニュースは瞬く間に拡散されますが、その後の訂正情報は、なかなか広まりません。いまだに「Windows 11のアップデートは危険だ」と信じ込んでいる人もいるかもしれません。

ゲームのバグも、OSの不具合も、私たちはつい感情的に反応してしまいがちです。しかし、一度立ち止まり、正確な情報を確認する冷静さを持つこと。そして、作り手側が抱える事情にも、少しだけ思いを馳せること。それが、今の時代を賢く生きるために必要なスキルなのではないかと、僕は思います。