これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです
プリクラ誕生30年。市場は縮小しても、10代女子の8割が利用する理由
1995年に「プリント倶楽部」が登場してから、今年で30年。平成の女子高生文化を象徴する存在だった「プリクラ」は、今もなお、若い世代を中心に根強い人気を誇っています。
「盛る」文化の元祖と、その進化
市場規模は、最盛期の1000億円から2割程度まで縮小したものの、10代女子の86%が利用経験があるというデータもあります。ゲームセンターに行けば、今もクレーンゲームと並んで、プリクラコーナーが大きな面積を占めています。
プリクラが廃れない理由。それは、単に写真を撮るだけでなく、「盛る」という体験価値を提供し続けてきたからでしょう。
2000年代初頭から始まった、実物よりも目を大きく、肌を白く見せる「盛り」の文化。一時期は、誰もが同じような顔になってしまうほど過剰な加工が主流でしたが、近年は「ナチュラル盛り」という、自然な美しさを引き出す機種も登場し、トレンドは常に進化しています。
スマホにはない「体験」と「思い出」
「写真加工なら、スマホアプリで十分じゃない?」と思うかもしれません。しかし、プリクラには、スマホでは得られない特別な価値があります。
それは、友達と狭いブースに入り、「ああでもない、こうでもない」と言いながらポーズを決め、落書きをする、という「共同作業」の楽しさ。そして、その場で印刷されたシールを分け合い、物理的な「思い出」として持ち帰ることができる。この一連の「体験」こそが、プリクラが支持され続ける理由なのでしょう。
10年ぶりにプリクラを撮ってみて
実は僕も先月、十数年ぶりにプリクラを撮る機会がありました。友人に誕生日を祝ってもらった後、ノリでみんなで撮りに行ったのです。
出来上がった写真は、案の定、目が大きくなっていて笑ってしまいましたが、撮影中のワイワイとした雰囲気や、シールを切り分けて配った時のやり取りは、高校時代を思い出すような、とても懐かしく、楽しい時間でした。
最近の機種は、撮った画像をスマホに転送できる機能も充実しているんですね。物理的なシールという「モノ」の価値と、デジタルで共有できる利便性。その両方を兼ね備えているのも、今の時代に合っているのかもしれません。
変わらない「思い出」の価値
かつて、ガラケーの電池パックの裏に、好きな人のプリクラをこっそり忍ばせていた時代がありました。形は変われど、プリクラが「大切な思い出を形にする」という役割を担っていることに、今も昔も変わりはありません。
どれだけスマホが高性能になっても、この「体験」と「思い出」の価値が失われることはないでしょう。そんなことを、久しぶりに撮ったプリクラを見ながら、ふと考えていました。