これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです
さて、今日の話題ですが、少し前にAI業界を震撼させた「Claude(クロード)」に関するあるニュースと、それにまつわる日本政府の動きについてお話ししたいと思います。
最強のAI「Claude 3 Opus」の内部情報リーク
皆さんは、Anthropic(アンソロピック)社が開発しているAI「Claude」について、ある内部情報(プロンプトやシステムの一部)がネット上にリークされてしまったというニュースをご存知でしょうか?
早い話が「めちゃくちゃ性能が良いAI」です。
性能が良すぎて、ある意味で「ヤバい」領域に達してしまったAIと言っても過言ではありません。
性能が良すぎるゆえに何が問題になるかというと、AIに悪意を持った指示を出せば、ソフトウェアやシステムの「セキュリティホールの穴(脆弱性)」を一瞬で見つけることができてしまうのです。
良い人が使えば「ここが弱いからセキュリティを高めよう」という「最高の盾(防御)」になりますが、悪意のあるハッカーが使えば「ここを突けば一瞬でシステムを破壊できる」という「最高の矛(攻撃)」になってしまいます。
そのため、開発元のAnthropic社も、このレベルの強力なAIモデルのフル機能やシステム内部へのアクセスは、選ばれた企業や政府機関などに限定し、一般には制限をかけて慎重に扱っていました。(※アメリカ政府との連携や検証も進められています。)
しかし、そういった強力なAIのシステムプロンプトや機能の裏側がリークされて(世に出て)しまったことで、大きな波紋を呼びました。
「AI=核兵器」という例え
この「最強のAI」を、核兵器に例える専門家もいます。
私も、ドンピシャではないにせよ、非常にわかりやすい例えだと思っています。
核兵器は、使えば相手の街を一瞬で壊滅させることができますが、一方で「自分たちも持っているぞ」とちらつかせることで、相手からの攻撃を躊躇させる「抑止力」としても機能しています。
AIも同じで、この最強のAIを「使える人(国・企業)」が、良い意味でも悪い意味でも圧倒的な力を持つことになります。
強力なAIを持っていなければ、ハッカーのAIによるサイバー攻撃を防御することができず、一方的にやられてしまうからです。
日本政府の動きと、声を上げた政治家たち
ここからが本題ですが、この強力なAI(あるいはそれに匹敵するセキュリティ技術)を「日本でも国として使えるようにしてほしい」と、日本政府(自民党のワーキンググループなど)がアメリカ側に要望を出したというニュースがありました。
私は、この動きを非常に評価しています。
この提言に関わった一人に、元デジタル大臣の平井卓也さんがいらっしゃいます。平井さんは国会議員の中でも特にITやAIに対する先見の明がある方で、彼のような人が自民党内にいることは、日本にとって大きなプラスだと思います。
また、この問題をいち早くYouTubeや国会の場でも訴えていたのが、AIエンジニアであり政治家でもある安野貴博さんです。(※東京都知事選にも出馬されましたね。)
安野さんが野党(あるいは独自の立場)から専門的な知見で声を上げ、それを自民党などの与党が汲み取って国として動く。党派を超えて、日本のデジタルセキュリティのために柔軟に対応しているこの流れは、とても良いことだと思います。
アメリカ側に要望を出したからといって、すぐに最強のAIをフルで自由に使わせてもらえるとは限りません。しかし、「日本はちゃんと脅威を理解し、アクセス権を求めている」と声を上げる(表明する)こと自体が、外交や安全保障において非常に重要なのです。
AIを使わないこと自体が「最大のリスク」になる時代
以前のPodcastでもお話ししましたが、おそらくあと半年もすれば、中国のAI企業などもこれに匹敵する、あるいは超えるレベルのAIモデルを作ってくるでしょう。
そうなると、「核兵器クラスのAI」が世界中でポンポン生まれ、ハッカーたちも最新のAIを駆使してサイバー攻撃を仕掛けてくるようになります。
その時、動きが鈍く、強力な防御用AIを導入していない国や企業は、恰好のターゲットにされてしまいます。まさに「無法地帯」です。
だからこそ、「AIを使わないことそのものが最大のリスクになる」時代がすでに来ているのです。
私たち一般の個人がこの最強AIのシステムに直接触れることはないかもしれませんが、間接的には私たちの生活やインフラのセキュリティに必ず絡んでくる問題です。
今後、わずか数ヶ月で状況が劇的に変わる可能性もありますので、引き続き世の中の変化を追っていきたいと思います。