AIによるリストラと「SaaSの死」。さらにフリーランス冬の時代を考える


これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです

AIが私たちの仕事を奪い、失業が加速するという話は、以前からよく耳にする話題ですよね。
しかし今、実際にその波が最も早く、そして強烈に押し寄せているのが、皮肉なことにAIを最前線で扱っている「IT業界のエンジニアたち」です。

今日は、AIによるリストラや業務効率化がもたらす社会の変化と、私たち個人がどう戦っていくべきかについて、いくつかのニュースを交えながらお話ししたいと思います。

IT業界で相次ぐリストラと、DeepL・富士通の動き

日本は法律上、一度雇った正社員を簡単にクビ(解雇)にすることはできません。しかし、アメリカなどの海外では問答無用ですので、現在凄まじい規模のリストラがバンバン行われています。

IT業界全体としては生成AIブームで景気が良いはずなのに、なぜこれほどまでにリストラが相次いでいるのでしょうか。
それは、AIを活用することで「これまで人間がやっていたコード書きやシステム保守などの業務が、はるかに少人数で、より効率的に回せるようになってしまった」からです。

最近のニュースで言うと、AI翻訳サービスを展開する「DeepL(ディープル)」が相当数のリストラを行うという報道がありました。

今や、Google翻訳やChatGPT、Claudeなどの生成AIを使えば、非常に高精度で自然な翻訳が一瞬で、しかも無料でできてしまいます。DeepLのような単一の翻訳サービスは、非常に厳しい戦いを強いられているのだと思います。

一方、解雇規制の厳しい日本ではどうなっているかというと、「配置転換」という形でAIの波が訪れています。
例えば、IT大手「富士通」のニュースです。富士通では、AIに業務を学習させて効率化し、余剰となった人材(そこにいなくても回るようになった人員)を、他の成長分野や人手が必要な部署へ「配置転換(異動)」させる動きが始まっています。
日本では直接クビを切れないため、AIで効率化した分をこうして再配置していくしかありません。「それが嫌なら辞めてください」という、事実上の肩叩きになってしまうケースもあるのかもしれません。

「AIを使うためのコスト」はもう逆転した

今から2年ほど前、私はこのPodcastで「今はまだ、自分で手を動かした方が早い仕事もある。でも、あえてAIにお願いすることで、自分自身がAIの使い方を学んでいるんだ」とお話ししていました。

しかし、2026年の今となっては、もうそんな次元の話ではありません。
AIの性能が飛躍的に上がり、「自分でやった方が早い」というケースはほぼなくなりました。ありとあらゆる業界で、AIに任せた方が圧倒的に早くて正確な時代に突入しています。

フリーランス受難の時代。仕事はどこへ消えたのか?

AIの台頭によって、今一番厳しい立場に置かれているのが「フリーランス(個人事業主)」の人たちだと私は思っています。

フリーランスが厳しくなった理由は2つあると考えています。
1つ目は、皮肉なことに「世の中(大企業中心)の景気が良くなってきていること」です。
一時期、会社にいても給料が上がらないからとフリーランスになる人が増えましたが、今は大手企業を中心に賃上げや待遇改善が進んでいます。「不安定なフリーランスでいるより、手厚い保障のある会社員として働いた方が絶対にお金がもらえるし楽だ」という風潮に戻りつつあります。

そして2つ目、最大の理由が「AIの台頭」です。

これまで、ライティング、イラスト作成、簡単なプログラミング、データ入力など、フリーランスがクラウドソーシング等で請け負っていた細々とした仕事がたくさんありました。
しかし今、そういった仕事は企業側が「わざわざ外注しなくても、社内でAIを使えば無料で一瞬で終わる」と気づいてしまったのです。

実際、私も仕事を発注する側として、この5〜6年で外注費の使い方が大きく変わりました。以前は1000円、1500円でお願いしていたような細かい作業を、今では全く人に頼まなくなりました。すべてAIで完結してしまうからです。
私のような小さな規模ですらそうなのですから、社会全体で見れば、フリーランス向けの仕事は激減しているはずです。

「SaaSの死」と、AI時代をどう生き抜くか

では、会社員もフリーランスも厳しいこの状況で、私たちはどう戦えばいいのでしょうか。

以前、「SaaSの死」というお話をしました。
「ちょっとこういう便利なツール(サービス)があったらいいな」程度のものは、今や誰もがAIを使って自分専用のシステムを簡単に作れてしまいます。よほどぶっ飛んだ独自の価値や、圧倒的な集客力がない限り、中途半端なITサービスで稼ぐことは難しくなりました。

つまり、「とりあえず独立してフリーランスになればいい」という単純な解決策は通用しなくなっています。

明確な答えはありませんが、確かなのは「末端の作業(タスクをこなすだけ)の立場にいると、AIに確実に置き換えられてしまう」ということです。

これからの時代に求められるのは、作業をする側ではなく、「一つ上の視点(ベクトル)から仕事全体を見渡し、AIに指示を出し、ビジネスを設計する側」に回れるかどうかです。

日々のニュースを見ていて、「AIリストラ」や「フリーランスの苦境」は、決して他人事ではないと感じます。だからこそ、私たちがこのAI時代にどう考え、どう動いていくかが、これまで以上に重要になっているのだと痛感しました。

今日はそんな、AIがもたらす働き方の変化についてお話しさせていただきました。