これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです
先日、とある有名なタレントさんがX(旧Twitter)上で「番組を降板します」と一方的に宣言し、大きなニュースになっていました。皆さんも目にしたかもしれません。
このニュースを見て、私は「今の時代(2026年現在)らしい象徴的な現象だな」と強く感じました。
「テレビより個人が強い」時代の到来
昔なら、タレントがSNS(当時はブログなど)で勝手に「番組を辞める」と宣言するなんて、考えられないことでしたよね。「はあ?」という感じで、業界のタブーに近いものだったはずです。
しかし、なぜ今こういうことが平気で起きるのでしょうか。
それはズバリ、「テレビ局というメディアよりも、タレント(個人)の力の方が強くなっている」という力関係の逆転の証拠です。
一昔前は、タレントであれミュージシャンであれ、「テレビに出ないと世の中に発信ができない」時代でした。
音楽業界でも、アニメやドラマ、CMのタイアップを取り、歌番組に出ることが、売れるための絶対的なスタートラインでした。
もちろん今でもテレビやタイアップの影響力はゼロではありませんが、「何が何でもテレビに出なければならない」わけではありません。
SNSでミーム化してバズれば一気にミリオンヒットすることもありますし、YouTuberのようにテレビに一切出なくても、圧倒的な知名度と莫大な収入を得ている人たちはたくさんいます。
つまり、YouTubeやXといったプラットフォームを通じて、「個人そのものが強大なメディアになる時代」が完全に定着したということです。
今回のタレントさんも、「別にこのテレビ番組の仕事がなくなったところで、自分自身のメディア(SNS)とファンがいれば、影響力も収入もさほど痛手ではない」という天秤にかけた上での行動だったのだと思います。
インフルエンサービジネスの終焉と「アルゴリズムの罠」
ここ十数年、「インフルエンサー」と呼ばれる個人メディアが力を持ち続けてきました。
しかし、ここで注意しなければならないのは、その「個人メディアのあり方」も、今まさに劇的に変化しているということです。
最近のXやYouTubeのアルゴリズムの変更により、「フォロワーがたくさんいるインフルエンサーだからといって、必ずしもバズる(再生される)わけではない」という現象が起きています。
逆に、フォロワーが100人しかいない無名の一般人でも、アルゴリズムの波(おすすめ機能など)に上手く乗れば、何百万インプレッションを叩き出すことが十分にあり得るのです。
これは言い換えれば、「インフルエンサーという『人の影響力』すらも、AIのアルゴリズムの前では無用(コモディティ化)になりつつあるかもしれない」ということです。
「YouTubeで登録者が10万人いるから安泰だ」という時代は終わりつつあります。時代の変化を敏感に察知している一部のトップYouTuberたちは、すでに別のビジネスや発信方法に舵を切り始めていて、さすがだなと感心します。
メディアも個人も、変わり続けなければ生き残れない
テレビ局は「これからの時代におけるテレビの本来の役割とは何か」を真剣に問い直さなければなりませんし、個人で発信している私たちも、「どう自分をブランディングしていくか」を常にアップデートし続けなければなりません。
私は、今の「アルゴリズムを制する者が世界を制する」ようなバズ重視の世の中から、少し時間が経てばまた「地に足のついた、濃いファンとの発信やコミュニティが大事だよね」という価値観に揺り戻しが来るのではないかと予想しています。今はまだ過渡期ですけれどね。
YouTubeやSNSが台頭してきた時、私たちはその「大きな変化」をリアルタイムで体感しました。
しかし、その変化は「一度起きて終わり」ではなく、「今この瞬間も、そしてこれからも毎日変化し続けている」ということを忘れてはいけません。
タレントの降板宣言というニュースから、メディアと個人のパワーバランスの変化、そして変わり続けるアルゴリズムの恐ろしさについて感じたことをお話しさせていただきました。