マネタイズできない「にわか層」の力を考える


これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです

昨日、サッカーのワールドカップ(アメリカ・メキシコ・カナダの3カ国共同開催)で、日本対チュニジア戦がありましたね。皆さんはご覧になりましたか?
(※事実確認の補足:ワールドカップの具体的な対戦国や開催年(2026年北中米WBC)などは状況に応じて変わりますが、音声内でお話しされている「日本代表戦の視聴率と盛り上がり」という文脈に沿って解説します。)

現地の時差を考えると、日本時間ではもっと見にくい朝方の時間になるかと思いきや、現地時間の夜10時キックオフだったことで、結果的に日本時間では「日曜日の13時」という絶好のタイミングでの放送となりました。

瞬間最高視聴率37%!「にわか層」の力

ニュースによると、この試合の瞬間最高視聴率は「37%」に達したそうです。

今の時代、これだけインターネットや多様なメディアが普及している中で、テレビの視聴率だけで全てを語ることはできません。出先からDAZN(ダゾーン)のアプリで無料視聴していた方も相当数いたはずです。
それでも、テレビ単体で37%という数字を叩き出したのは、現代においては「かなりいった(大成功した)」数字だと言えます。放映権を獲得した日テレからすれば、万々歳の結果だったのではないでしょうか。
(ちなみに私はライブの仕事があったのでリアルタイムでは見られませんでしたが…笑)

この視聴率のニュースを見て、改めて「テレビ(地上波)で放送することの重要性」を感じました。

以前のPodcastでも「ユニバーサルアクセス権(国民的スポーツを誰もが無料で見られる権利)」のお話をしましたが、テレビで放送されることで、普段はサッカーを全く見ないような人たちもチャンネルを合わせます。

WBC(野球)の時だけ野球を見る人がいるように、ワールドカップの時だけサッカーを見る人もたくさんいます。
「普段は見ないけれど、お祭り騒ぎだからとりあえず見る」という人たち、いわゆる「にわか層」の存在です。

エンタメを大きくするのは「お金を落とさない層」?

ビジネスの観点(マネタイズ)だけで考えれば、エンターテインメントを含め世の中の多くのビジネスは、全体の1%〜10%の「熱狂的なコアファン(お金をたくさん落としてくれる層)」によって支えられています。

しかし、「世の中全体を巻き込むような大きな盛り上がり」を作っているのは、実は「直接はお金を落とさないけれど、話題にしてくれる圧倒的多数の『にわか層』」なのです。

「にわかファン」と聞くと少しネガティブな響きに感じる人もいるかもしれませんが、彼らがSNSで話題にし、翌日の学校や職場で会話にすることで、そのイベントは「社会現象」になります。
もし今回のワールドカップがテレビで放送されず、有料のネット配信(DAZNの有料プランなど)限定だったとしたら、これほど社会全体で盛り上がることはなかったでしょう。「そういえば今年ワールドカップやってたっけ?」と思う人も多かったはずです。

出場国増加と「盛り上がり」の相関関係

今回のワールドカップから出場枠(出場国)が増えたことについても、様々な議論がありましたよね。「レベルが下がる」といった批判的な意見もありました。

しかし、「にわか層が盛り上がりを作る」という興行的な視点で考えると、出場国が増えるということは、それだけ「自分の国が出場しているからワールドカップを見る(話題にする)人=新しいにわか層」が世界中で爆発的に増えるということです。
そう考えると、大会の枠を広げることは、大会の規模や話題性を最大化するための非常に理にかなったビジネス戦略なのだと納得できます。

「お金(マネタイズ)だけ」を考えれば、コア層だけを相手にする閉じたビジネスモデルになりがちですが、「どれだけ大きなムーブメントを作れるか」という視点を持つことも、エンターテインメントにおいて非常に重要だなと、今回の37%という視聴率から感じました。

日本代表は主力の怪我など少し不安なニュースもありますが、いい感じに勝ち進んでいますね。
ワールドカップはまだまだ続きますので、日本戦以外の試合も含めて、この世界規模のお祭りを引き続き楽しんでいきたいと思います!