飲んだらスポドリ!二日酔い対策でやっていいこと、いけないこと


これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです

お酒が好きな方にとって、二日酔いはできれば避けたい永遠の課題です。世の中には二日酔いを防ぐための様々な対策やジンクスが溢れていますが、医学的な視点で見ると、実は効果がないどころか逆効果になってしまうものも少なくありません。

今回は、巷でよく言われている二日酔い対策の真実と、本当に効果のある正しい予防策について解説します。

巷で囁かれる二日酔い対策の真実:

私たちが普段何気なく行っている二日酔い対策の中には、科学的な根拠が乏しいものが多く存在します。

  • ウコンドリンクの摂取: 飲み会の前にウコンを飲むのは定番の対策となっていますが、実はウコンが二日酔いを劇的に予防するという明確な科学的根拠は乏しいとされています。サプリメントなどでの過剰な摂取は、体質によってはかえって肝臓に負担をかける(薬物性肝障害などの)リスクがあるため、飲み過ぎには注意が必要です。
  • サウナや運動で汗を流す: お酒を飲んだ後にサウナに入ってアルコールを汗として出そうとする人がいますが、これは極めて危険な行為です。汗と一緒にアルコールが排出されるわけではなく、むしろ体内の水分が失われて重篤な脱水症状を引き起こします。二日酔いを悪化させるだけでなく、血圧の急低下や心血管系のトラブルを招く恐れがあるため絶対に避けてください。
  • 貝のお味噌汁やコーヒーを飲む: シジミなどに含まれるオルニチンが肝臓の働きを助けるというイメージから貝のお味噌汁が好まれますが、特定の物質が即座に二日酔いを治すという直接的な研究結果はありません。飲んだ後に欲しくなるのは、アルコールの利尿作用によって失われた水分と塩分を身体が本能的に求めているからです。また、コーヒーもアルコールを分解するわけではなく、カフェインの覚醒作用による気休め程度にとどまります。
  • 無理に吐くことや迎え酒: 飲み過ぎたからといって意図的に吐こうとするのは、胃酸で食道を傷つけたり、強い圧力で粘膜が裂けて吐血(マロリー・ワイス症候群など)を引き起こす原因になるため非常に危険です。さらに、翌日の迎え酒はアルコール依存のリスクを高め、脳を麻痺させて不快感をごまかしているだけなので言語道断です。
  • お酒のちゃんぽん: 複数のお酒を混ぜて飲む「ちゃんぽん」自体が、体内で化学反応を起こして悪酔いするわけではありません。味やアルコール度数が次々と変わることで自分の正確な飲酒量が把握できなくなり、結果的に自身のアルコール処理能力を超えて飲み過ぎてしまうことが問題の本質です。

医学的に推奨される正しい飲み方と対策:

二日酔いを防ぎ、翌日を快適に過ごすためには、アルコールに対する身体のメカニズムを正しく理解した上で事前に対策を打つことが重要です。

  • 経口補水液やスポーツドリンクの活用: アルコールには強い利尿作用があるため、飲酒後の体は深刻な水分・電解質不足に陥っています。水分を効率よく吸収できるスポーツドリンクは非常に有効な対策です。ただし、スポーツドリンクは糖分が多いため、可能であれば糖分が少なく体内への水分吸収率がより高く設計されている「経口補水液(ORS)」を選ぶのが最も理想的です。就寝前と起床後にしっかり飲むことで、翌日の回復具合が大きく変わります。
  • 空腹状態での飲酒を避ける: 胃の中に食べ物がない状態でお酒を飲むと、アルコールが急速に小腸へ送られて急激に吸収され、血中アルコール濃度が一気に上昇してしまいます。飲み会が始まる前や飲酒中には、必ずしっかりと食事をとって胃の粘膜を保護し、アルコールの吸収速度を緩やかにすることが極めて重要です。「太るから」と食べずに飲むのは健康面において最も危険な行為です。
  • お酒と同量のチェイサー(水)を飲む: 飲酒中のこまめな水分補給も欠かせません。お酒の合間に水を飲むことで、胃や腸の中のアルコール濃度を薄め、血中アルコール濃度の急上昇を防ぐことができます。日本酒を飲む際の「和らぎ水」のように、どんなお酒を飲む時でも常に手元に水を置き、交互に飲む習慣をつけることが、悪酔いを防ぐ最大の防御策となります。

これからの季節、お酒を楽しむ機会も多いかと思いますが、誤ったジンクスに頼るのではなく、医学的に正しい知識を持って健康的に楽しむことを心がけましょう。