彩雨さんの体重はいつもだいたい一定で、49キロ~50キロをうろうろしています。
50キロとは、いったいなんでしょうか。
いや、50キロは50キロですよね。それをそれ以外の方法で説明するのは難しいです。逆に、50キロと世界共通の物差しがあるので、50キロだと理解できます。
それがまさに単位という、科学でも社会でもなくてはならない存在です。
1キロとはなにか
さて、水1リットルは何キロあるかわかりますか?
小学生でもわかります。1キロです。1キロぴったりです。
水1リットルと1キロが同じだなんて、めっちゃ偶然!と考える人もいるかもしれませんが、それもそのはず。1キロの定義は本来は水1リットルの重さだからです。
身の回りに水はありますし、重量の単位としてはとてもわかりやすいですね。
大雑把な重量であればこれくらいの感覚でいいのですが、厳密にいうと水の重量は温度にも依存することがわかりました。そのため、アルシーヴ原器と呼ばれる白金で作られた1キロの重りが作られるようになりました。問答無用で、これが1キロということになったのです。
その後、この1キロの原器は複製され、世界中に存在するようになります。日本にもあります。超厳重に保管されています。素手で触って油などが付いたら、それで重さが変わってしまうからです。
1キロの定義が変わる
そんな1キロの定義ですが、来年の2019年から変わることになります。もうこういった原器が1キロの定義として使われなくなるのです。
きっかけとしては、複製された1キロの原器の重さが変わってしまったことによります。世界中にある重さが一定のはずの原器が、重さが一定じゃなくなってしまったのです。奇妙な話ですが、原因はちゃんとわかってないという話もあります。
では1キロとはなんなのか。次からは原子を使った定義になります。
ちょっと難しいので、説明はナショナルジオグラフィックの記事をご覧ください。
原子はこういったサイズの単位として使われることもしばしばありまして、時間でもわずかな差を測定するために原子が使われることもありますね。
生活していてもなかなか1キロの定義など意識することはないと思いますが、長く世界で使われてきたこの1キロの定義が来年かわるというのも、なんだか不思議な感じがしますね。とはいえ、その差はわずかなもの。来年から新しい1キロの定義になったとしても、体重が変わるようなことはありません。
単位というのはなかなか興味深く、体にまつわるものが単位としてつかわれる身体尺が昔からよく使われていることもあります。これだと50キロを1アヤメとするなら、5キロを0.1アヤメ、1キロを0.02アヤメとすることもできますね。
身体尺については、歴史をたどるととても面白いので、また機会があればブログでまとめてみたいと思います。