QUESTION:オリジナリティなどこの世の中には存在しない!オマージュとパクリの違いとは? 前編


QUESTION

オマージュとパクリの違いってなんですか?


これ実は、けっこうミュージシャン的には言葉で説明するの難しくて、言葉で書くときっといろんなところからツッコミが入りそうなところではありますが…

オリジナリティなどこの世の中には存在しない

音楽の世界だけではなく、映画やアニメ、さらには小説、漫画、そういったエンターテイメントだけではなく、例えば建築分野であったり、スマホやパソコンといったコンピュータ分野など工業であったり、さらには宗教や政治、科学、医療の世界まで…

なにかを真似てというか、なにかを参考にしてというか、影響を受けてというか、言い方はそれぞれですが、ぶっちゃけてしまえば100%完全に何もないところから発生したものというのは極めて少ないといってもいいでしょう。

この世の中は、たくさんのものがそれぞれ関係しあって存在しています。自分は唯一無二だ!と思う人もいるでしょうが、実際はそんなことはありません。

この地球ですら、太陽や月をはじめ、他の天体と関係しあって存在しているくらいですからね。すべてのものはなにかと関係しています。

大前提として、オリジナリティという言葉をよくみなさん使いがちですが、本当の意味でのオリジナリティを持っているのはこの世界を創った神様だけです。

それを踏まえて話を進めます。

世界はリスペクトの積み重ね

人間が文化を形成し、その中でその文化同士が混じり、どんどん発展をし続けてきました。

自分の世界にはこれまでなかったものとの出会い、そして融合、新たな文化の生成、その繰り返しで現代社会は成り立っています。

音楽といった芸術分野なんかはそういったものがわかりやすく、これまで存在しなかった西洋音楽が大航海時代とともに世界中へ拡散し、さらには産業革命によってピアノが大量生産され、現代ではインターネットの普及によって作った音楽が世界中に広まり、と、次々と取り巻く環境には変化があり、新しい音楽が生まれていきます。

西洋音楽はその後はみなさんも好きなロックであったり、ジャズやポップスなど、ありとあらゆる音楽へ派生することになります。

とはいいながらも、じゃあ実際に音楽をやっているバンドマンがすべての音楽を熟知しているかというと、そういうわけではありません。それは自分もそうで、知らない音楽ばかりです。

ですが、音楽というのは生命のDNAと同じような形で、300年前の影響は受けずとも、30年前、3年前の影響だけでこの音楽のDNAを次世代へ残すことができます。

ここでは影響と書きましたが、その影響というのはリスペクトという言葉に置き換えられます。

音楽を例に話をしましたが、これは他の世界でもそうです。

例えば政治の世界では、日本でも三権分立の考え方で成り立っています。これはモンテスキューの考え方です。

日本は長い間鎖国をしていましたが、開国に合わせて海外の文化や思想を多く取り入れました。その中で政治のシステムを欧米風に変えていきます。

別に、欧米に無理やりそうさせられたわけではありません。

欧米文化、民主主義へのリスペクトから、日本もそうして強くするべき、欧米の仲間入りをするべき、と方向転換したわけです。

このリスペクトというキーワードをもとに、次は具体的にオマージュとパクり、さらには関連してあるパロディというキーワードでお話していきたいなと思います。

次回へ続く!!