今年は高校野球は地方大会からチェックしてまして、中でも気になる存在は大船渡高校の佐々木選手です。
160キロを出せる高身長の豪腕投手で、打っても4番という選手です。岩手ということもあり、現在メジャーで活躍する大谷翔平選手をどこか彷彿とさせる逸材です。
初戦からチェックしてまして、すべての試合は見てないですが、けっこう見ました。ホームランや奪三振ショーなど、なかなか見ごたえのある試合をしていました。
決勝戦で佐々木を出すべきだったのか
今、この佐々木選手と大船渡高校の監督を巻き込んで、高校野球で大きな論争を呼んでいます。
佐々木選手は準決勝で投げ、決勝はその翌日となります。
この長いトーナメントの中で壮絶な延長線を一人で投げきったこともあり、状態は万全ではなかったのでしょう。
佐々木選手は決勝の花巻東戦に最後まで出場せず、負けてしまいました。
エースで4番を抜いた状態で強豪チーム相手にはさすがに厳しかったのか、圧倒的な力の差が出てしまった決勝戦でした。
昔だったら選手の状態よりもチームの結果が重視される空気感もありまして、出さないという選択肢はなかったかもしれません。
しかし昨今は体が完全に熟成されていない高校生にこの真夏に過酷なピッチングをさせることに対して、多くの意見が出されるようになっています。
特にアメリカでは日本の選手は大きな注目を浴びていますので、若き逸材に過酷なピッチングをさせるべきではないと、甲子園について苦言を呈しています。
制度を変えるべきか、意識を変えるべきか
日本でも同じような議論は起きています。しかし、とある地方はピッチャーへの球数制限を検討したところ、反対意見も多く見送ることになりました。
昨年は金足旋風といって金足農業が甲子園で大活躍する姿が日本中で大きな話題になりました。ピッチャーの球数制限をすることによって、一人のピッチャーだけで勝ち上がってきたチームは活躍しにくくなります。
もしピッチャーの球数制限があれば、昨年の金足旋風は生まれなかったでしょう。
多くのピッチャーを抱える、有名私立高校ばかりで甲子園の出場校は埋め尽くされることになります。
現在の問題点は試合の日程スケジュールにも無理があります。トーナメント終盤には連日の試合になることが多く、そこをどうにかできないものか、ということです。しかし、7月は梅雨の時期ということで、雨で試合が流れることも多いわけです。
東京などだったらナイターにするとかドームを使うという選択肢もあるでしょうが、地方だと難しいかもしれません。
また、現在9回までの試合ですが、それを5回や7回にするべきでは、という意見もあります。実際にサッカーは学生の試合は試合時間も短く設定されています。
制度の話をするとこのような感じですが、何かを変えても多くの意見がでることには変わりありません。
制度だけではなく、意識を変えることも大事です。
今回の件についてはダルビッシュ有選手も発言していますが、番組の中での張本氏の発言について多くの議論が巻き起こっています。
制度面から、意識面から、高校野球もなにか変わろうとしているのかもしれません。