QUESTIONより:ネットで誹謗中傷が減らない、もう一つの理由


QUESTIONより

TwitterをはじめSNSや某掲示板等のコメント欄で「死ね」「ブス」等、息を吸う様にひどい言葉が出てくるのを見ると、”この人達は一体どんな環境で育ってきたんだろうか…性格歪んでるな”と思ってしまいます。発した言葉は自分にいつか返ってくるのを知らないのか。悲しいです。 SNSで誹謗中傷する人の意識を変える方法は無いかもしれませんが、出来れば無くしていきたいです。 彩雨さん、どうすれば誹謗中傷って無くなるのでしょうか?


自分自身も昔からインターネットと誹謗中傷に関する問題について注意深く動向を見ています。

昔はあまりにも無法地帯でしたが、現在はそれに比べればSNS各社も対策に乗り出すなど、動きがないわけではありません。

また、こういった誹謗中傷に対して、世間も見方が変わってきたのかなと思います。

誹謗中傷がしやすいネット

今でこそTwitterの力によって、一般人の発言も大きく拡散されることになります。これはネットのメリットでもありますが、一般人への批判的な勢いもまた同じく拡散するため、誹謗中傷のターゲットになってしまうことがしばしばあります。

それとは別に、芸能人もまたネットを使って多くの発信をしています。

それに対して、多くの人が簡単にコメントを返せるようになっています。これもまたネットのメリットでもありますが、逆に言えば誰でもメッセージを送ることができるので、誹謗中傷も簡単に送ることができます。

誹謗中傷のメッセージが送るれるという意味では、今も昔も変わってないと思います。

たぶんネットができる前の時代でも、芸能事務所にはファンレターに混じって誹謗中傷であったり殺人予告のようなメッセージもあったことと思います。

ですが、それは表にはでませんよね。現代は、そういう内容が表に出てしまう、つまりみんなやってるからやってもいいんだ、という空気になります。

ネットと誹謗中傷というと、これまではその匿名性の部分がフューチャーされていましたが、理由はそれだけではなく、こういった空気感というのも重要なファクターになっています。

ここにネットの恐ろしい側面があります。

芸能人への誹謗中傷で立件

これまでは、なんとなく芸能人や政治家、スポーツ選手など、表に出て仕事をする人への誹謗中傷は問題なし、という空気は実際にありました。

ですが、それもそろそろ変わる流れになるかもしれません。

堀ちえみさんのブログに「死ね」「きえろ」などと書き込んだ人が逮捕されるという事件がありました。

堀ちえみのブログに誹謗中傷「死ね消えろ」、50代主婦が書類送検

記事にはこうあります。

この日、書類送検を報じたフジテレビ系「直撃LIVE グッディ!」の取材に主婦は、「『殺す』とは書いてない。『死ね』でも脅迫になるんですか。みんな書いてるじゃないですか」と主張。反省の色は見えなかった。

ネットの怖いところはまさにこれで、大勢の人がやっていれば、やってもいい、という心理が働きます。

学校のいじめから人種差別問題にいたるまで、ネットができる前からこういった空気感は人間社会には存在するものです。ネットはそれを別の側面から色濃く出すことができてしまっているツールとも言えます。

実は匿名性という面については、法整備も徐々に整ってきて、各社個人情報を開示する流れになってきています。あとはこういった書き込みに対してどう動くかですが、全てに被害届を出して逮捕して…というのはあまりにも現実的ではないかもしれません。

法整備を整え、罰則を課していく方向にするのも一つの手かもしれません。あとは人間の精神面の向上を待つか。

個人的には、ここでこそAIの力が発揮されそうな予感もしてますけどね。