京都市と吉本興業のステマ騒動をどう受け止めるべきか


吉本興業のステマ騒動が先月末に話題になりましたね。

いろいろと話がでてきていますが、そもそもどういった内容なのでしょうか。

論点がいろいろあるので、整理してみましょう。

なにがいけなかったのか

ことの発端は、10月に吉本の芸人さんがツイートした内容なんですが、京都についてのツイートをしました。

その後、京都市がお金を出してツイートしてもらうようにお金を出したことが明らかになります。

実は広告にはそれが広告とわかるような旨を記さなければいけない決まりになっています。

ただ先のツイートにそういった表記が記されていないということで、ステマじゃねえか、と話題になったわけです。

このあたりでいろいろな論点があるので、ひとくくりに考えてはいけません。

論点1:これはステマなのか

そもそも論として、これはステマなのかどうなのか、ということです。

吉本興業のコメントを読むと、確かに広告であるという表示はなかったものの、ハッシュタグもあることから、このプロモーション活動の一環であると理解できるはず、というところから、これはステマではないと声明を出しています。

まぁこれについて、当事者の芸人さんや吉本興業を責め立てるのはちょっと可哀そうだなというのが自分の感想ですが、広告表示を書くべきだったのかどうかは難しい判断です。

正直なところ、これについて自分が芸人さんの立場でも[PR]とは書かないかもしれません。

論点2:ステマなんてクソだ!

ステマを激しく毛嫌いする人は多いです。

数年前のステマ騒動以来、ステルスマーケティングというものが世の中にあるんだと知った人も多かったことでしょう。

あの騒動でステマの印象は地に落ちたわけですが、そもそも有名人にそういった発注をする段階でおかしい!

っていう意見もあることでしょう。

しかし、こういった有名人やインフルエンサーに情報の拡散をやってもらうというのは、珍しいことではありません。

論点3:100万円って高額すぎるだろ!

次に金額の問題です。

報酬が100万円という一般常識ではびっくりするような金額が明らかになり、高すぎるという意見も多くみられました。

税金から出してるんだろ、ということで、ここも重要な論点になります。

しかしこれ、WEB広告としては決して高価な金額ではありません。

このあたりは吉本興業のコメントにもでていますが、フォロワー数から考えて妥当な金額だといえるでしょう。

ですが、やはり広告費というのはイメージしにくいものです。看板を出すとかならまだイメージできても、WEB関係というのはわかりにくいですからね。

ステマは違法ではないけど

そもそも、ステマは違法ではないわけです。

自分が掲示板で摩天楼オペラかっこいい!って書くとしたらそれはステマです。だれかフォロワー数の多い人にお金を渡して「摩天楼オペラかっこいいね!」ってつぶやいてもらうのも、ステマです。

ただこのあたりはモラルの問題でもあります。それ自体に違法性があるわけではありません。

法律的には景品表示法というのがありまして、その製品が本物以上に良いと印象付けるのを「優良誤認」といい、その製品が他のものよりいいと印象付けるのを「優位誤認」といいます。

これにひっかかれば違法にはなりますが、嘘ついてない範囲であれば違法ではないと自分は解釈しています。

先日も食べログの件で話題になってますし、今度は検索結果を操作するようなネットショッピングにもメスが入ろうとしています。

インターネットならではの…というところでしょうが、各企業もこういった問題に敏感にならなければならないタイミングなのかもしれません。