韓国ではネットでの誹謗中傷について大きな議論になっていますが、日本でもそういった誹謗中傷がないわけではありません。
昔から掲示板などではそういった被害は多く、近年ではSNSを使った誹謗中傷が問題になっています。ブログやYouTubeはコメント機能をオフにすることでそういった誹謗中傷を受け付けないようにすることも可能ですが、Twitterはリプライがある時点で、オフにすることができません。
オフにすればいいという問題でもない
日本でニュースサイトでトップレベルの読者数を誇るのがYahooニュースでしょう。自分もYahooニュースはよく見ます。
そんなYahooニュースにはコメント欄があります。みなさんはこのコメントを読まれるでしょうか。
まともな書き込みもたくさんありますが、いわゆるヤフコメというのはけっこう偏っている傾向があります。典型的な誹謗中傷は少ないですが、当事者だったら嫌な思いをするだろうな、というコメントが多いのが特徴です。
そんなYahooニュースもそれを把握しているわけで、明らかにそういった書き込みが増えそうな内容のニュースは、コメント機能をオフにすることも多いようです。
しかし、コメント欄というのはオフにすればいいという問題でもありません。Yahooニュースは、その読者がその記事に対してどういう感想を持つか、といういろんな意見をみんなで共有し理解を深める、という役割も少なからずあり、自分もニュースだけではなく気になる記事についてはコメントも見るようにはしています。
自然言語処理をスパコンが行う
昔から、特定の単語を含んだコメントはオフにする、ということは技術的には簡単にできることでした。
しかし、どうしたって抜け道もありますし、人間が読めばそれがポジティブな内容なのか、ネガティブな内容なのかを把握することはたやすいのですが、それを機械がオートでやるというのは簡単なようで難しいのです。
Yahooは、このコメントの分析にスーパーコンピューターを活用し、記事への関連性の低いコメントを抽出できるような仕組みを導入するそうです。
最先端の自然言語処理モデルとスパコン「kukai」を活用したコメント対策、および並び順名称の変更について
この動きはおそらく各社導入することになるでしょう。人間がすべてのコメントを読むわけにはいきませんからね。精度については気になるところですが。
スマホの普及と通信インフラの整備が済んだ2010年代も終わり、ここからは無法地帯を乗り越え、どう成熟していくかの時期に入ります。成熟のさせ方はさまざまですが、このような自然言語処理についてもその動きの一つかもしれません。
これから先、いろんな切り口で各社が対応にでることになるでしょう。興味深く見守っていきたいものです。