今日、とんでもないニュースが飛び込んできました。
原油の先物取引の価格が、なんとマイナスになったとのこと。
通常ですと石油王という言葉もあるくらい、原油というのはとても高価なものですよね。マイナスって、じゃあタダでもらえるということ?タダでもらえるうえに、お金までもらえるってこと?
原油の取引価格がマイナスとは
世間では逆オイルショックなんて言葉も登場しました。
なんでこんなことになっているのでしょうか?原油なんて、みんな喉から手が出るほど欲しいはずなのに。
原油に関しては、世の中の環境問題への取り組みであったり、代用の新しいエネルギーの開発であったりと、そもそもが脱石油の世の中になろうとしている傾向があります。
そのうえでこのコロナということで、人々の移動も少なくなり、消費も少なくなり、エネルギーの消費量も落ちています。社会が止まることにより、石油の消費量まで落ちるということです。
しかし、原油というのは地下からじゃんじゃん出てくるものです。ある種の自然現象なわけで、蛇口をひねるように原油の産出をコントロールできるものでもなく、さらに出てきた原油をストックするための巨大なタンクも必要になります。
実はこのタンクがもういっぱいになりかけているという話で、お金あげるからとにかく引き取ってもらわないと困る!という事態になっているわけですね。
もちろん、原油の先物価格がマイナスになるのは、人類史上初めてのことです。
とはいえ、これはあくまで相場的な話で、じゃあガソリンが無料になるの?っていうのとはちょっと違うわけです。ただ、もうちょいしたらけっこう値段も下がるかもしれません。ガソリンだけではなく、電気代も下がるかもしれません。
オイルマネーは過去のものか
20世紀は、それこそ石油の時代でした。
世界的な石油への需要が高まり、原油がある資源国はすさまじい利益を上げ、いわゆるオイルマネーというものを生み出します。
今回はさすがにいろいろな投資家の思惑もありマイナスになっただけで、これから先ずっと原油の価格がマイナスになるかというとそういうわけでもありません。
歴史的な出来事ではありましたが、短期的にはそこまで経済的な影響はないように思えます。しかし長期的には、オイルマネーで潤沢な資金力のある企業や国が、長期的な視野を見据えてどのように動くのか、というところも気にはなっていますが、それは今に始まったことではないですからね。
今回マイナスになったのはコロナの影響もあるかもしれませんが、いわゆるオイルマネーをめぐってのパワーバランスというところは、コロナの有無にかかわらず、間違いなくこれから先変わっていくことになるでしょう。