世界中のスポーツ興行の多くがストップしていることで、長引けばクラブチームの経営についても厳しい局面に差し掛かります。
昇格や降格をしないとか、分配金の調整をするなどで耐えることができるような仕組みづくりをしているわけではありますが、限度もあります。
サガン鳥栖が心配
ここにきて、サガン鳥栖の経営難について再びニュースになっていました。
コロナの影響ももちろんあるでしょうが、サガン鳥栖についてはもともと経営難が問題になっているクラブチームでした。一時は立て直しましたが、サイバーエージェントがJリーグへ参入したのをきっかけに、サイゲームスがスポンサーを降りたあたりから少しずつ暗雲立ち込めてきました。
今年は新体制の発表の時に、胸スポンサーが決まらずユニフォームを発表できない、という異例の事態もあり、そういった中での今回のコロナ騒動ということで、苦しい立場にいます。
どう危機を乗り越えるか
とはいえ、この問題は多くのクラブチームにとって他人事の話ではありません。今回のサガン鳥栖の危機をどう乗り越えるかというのは、今後のクラブ運営に関しても大事なモデルケースになるかもしれません。
急激にファンが急増して、物販を買ったりチケットが売れたりというのも解決策の一つかもしれませんが、今のように試合ができないのであればどうにもなりません。
巨額投資をしてくれるスポンサーを探すか、銀行などから融資を受けるかといった形になるだろうと思われます。スポンサー企業についても、このコロナ騒動の中どこまでスポーツチームにお金を出す企業があるかというところではありますが。
そうなるとちょっとイケイケのワンマン投資家が強引に買い取ってしまうとか、海外の王族や石油王が買い取るとか、そういう話になってきます。海外のクラブチームだと、実際に王族や石油王が買い取った例もあります。Jリーグはアジア圏でも人気がありますし、ある意味買い時かもしれませんが。
とはいいながらも、お金を出してくれればだれでもいいのか、という話もあります。
地方は不利?
Jリーグはかなり多くの地域にクラブチームがあります。地域に根差したクラブチーム運営ということで、全国どこに住んでいても近くに応援できるチームがある、というのがとてもいいなと自分自身思っています。
しかし、地域によって経済格差はあります。これは仕方のないことで、東京の会社と地方の会社が同じ経済力があるわけありませんよね。また人口にも差があるわけで、首都圏と地方で同じ集客力となるわけがありません。
基本的には地元企業の応援というのがベーシックなところではありますが、言い方は悪いですがどうしたって経済力には有利、不利が生じます。
おそらく鳥栖に関しては幅広くスポンサーを探しているところかと思いますが、コロナによる不景気に関しては不運としか言いようもなく、手をあげてくれる企業や投資家が現れることを願いたいものです。
地方は不利、という話をしましたが、それでも地方のクラブチームでも毎年確実な黒字収益をあげるところもあり、運営の仕方次第、といってしまえばそうなのかもしれません。鳥栖のやり方が悪い、とここで書けるほど自分は鳥栖の経営についてはわかりませんが、ついちょっと前までフェルナンド・トーレスという世界のスターを移籍したというところも相まって、どこか強気の経営姿勢もあったのではないかなと傍から見ていて感じました。
まぁ結果論もありますけどね。
消滅や降格の可能性も
Jリーグは、経営難になるとチーム消滅や降格の可能性もあります。鳥栖についてはこれまでも何度かイエローカードを叩きつけられているだけに、今が正念場であるでしょう。
降格ならまだしも、チーム消滅は避けたいものですね。これまでも下部リーグでは経営難でチームが消滅したことはありますが、J1でいきなりのチーム消滅というのは前例がありません。
だれもがここで思い浮かべる横浜フリューゲルスに関しては吸収合併という形でマリノスとくっついた形になります。これについても多くの意見がありまして、Jリーグの歴史において今でも議論に上がる重要な論点になっています。
いきなりチームがなくなって、じゃあ他のチームを同じくらい応援できるかというと、それも気持ち的には難しいですよね。自分自身もサッカーファンとしては、どうにかこの問題が解決することを祈りたいです。