コロナの感染拡大により、GoToキャンペーンの除外であったり一時中止という路線が濃厚になってきました。
本来はここからが正念場なわけですので、長く厳しい冬になりそうです。
GoToキャンペーンのせいだったのか
今回の感染拡大はGoToキャンペーンのせいなのか、どうなのか。
これについては多くの意見がありますね。
自分はかねてより冬は増えると言い続けていた派ですので、今回の感染拡大はGoToキャンペーンではなく季節の変化に原因があると見ています。
しかし、感染拡大の中で移動を推奨するGoToキャンペーンは打ち出しにくく、地域の除外や一時停止はやむを得ない措置であると考えています。
経済で死ぬか、コロナで死ぬか
ここで止めたら自殺者がうんぬんかんぬん、というのは3月頃から議論されていた内容です。
こういうのは答えのない議論で、この11月末の段階でこの議論をまだしているのはどうなのかなとも。
この自由主義の社会において、どちらも取れないんですよね。
だから、ちょうどいいところを探ってやっていくしかないわけです。一部の人は職を失い、給料が減り、自殺をする。そして一部の人はコロナで死ぬわけです。どちらに極振りすることもできない、難しい問題です。
今回のGoToの件で残念だったのが、GoToキャンペーンにやや悪いイメージがついてしまったこと。
4月、5月はどうにかなれど、この冬は越せないところは多いでしょうね。世の中全体で考えると、観光業や飲食業で働いている人は大多数ではなく、GoToキャンペーンの恩恵というのを感じている人のほうが少ないわけです。だから中止の声も大きくなるわけですが、経済はすべてがつながっています。
回り回って時間が経てば、関係ないと思われていた仕事の人にも影響が出るようになります。
よくないシナリオに近い
これも春頃に話していた内容ですが、自分の思い描いていた理想のパターンはこうです。
春は緊急事態宣言がでているので、耐える。厳しい言い方ですが、春に耐えられなかった店舗や企業は、今後数年間の変化を予想し英断したケースもあるでしょうが、一部はコロナ以前から自転車操業だったところもあるでしょう。
そして夏は動く、ということ。コロナが一旦落ち着いたタイミングで大量のお金を吐き出させるということです。がんがん旅行にいってもらい、がんがん外食してもらい、遊園地やイベントもフル回転です。
そのためには給付金が必要です。給付金でちょっと小金持ちになったところで、国民をその気にさせることも大事です。
なぜこれが必要なのか。秋から冬にかけて、コロナが再びぶり返すため、その分も稼ぐ必要があるのです。
政府が出した給付金のタイミングはベストだったと思います。また、同じタイミングでGoToキャンペーンを構想し打ち出しました。これも良策です。
しかし誤算だったのは、夏に感染者が増えたことです。これで本来稼がなくてはいけないタイミングに動けず、GoToキャンペーンも遅れてスタートすることになりました。
後ろ倒しになってしまったことで、余剰金を出せないままこの厳しい冬へ突入することになります。
資本主義の欠点
現在、世界的にも経済は絶好調です。
稼いでいる人は、このコロナでますます好調なんです。999人の人が職を失っても、一人がそれ以上稼いでいるので、全体の経済はますます良くなっていくわけです。
実は今までもそうだったんです。だけど、その稼いでいる一人があっちこっちで高い買い物をしたり、ご飯を食べたりしてくれているおかげで、999人は職を失わずに済んでいたわけです。
次の一手が必要です。
しかし、苦しいでしょうね。
資本主義の唯一の欠点をコロナがついてきています。唯一の欠点、それは格差の拡大です。
要するに話は簡単で、資本主義で社会を成り立たせる絶対的なルールとして、お金を稼いでいる人からどうやってお金を吐き出させるかというものがあります。
これまでは稼いでいる人が自然とお金を払いたくなるような、サービスなりモノなりを売るという形で成り立っていました。
現在はそれが自由にできなくなるという、これまで想像できなかったことが起きています。
ここで社会主義的な観点も必要で、土地も資産も働いた給料もすべて国が没収し全国民にばらまくとか、そういった発想を取り入れる必要があります。しかし実際にそんなことできるわけありません。
この発想を税収でバランスを取るのであれば、所得税をさらに増やし消費税を減税するとかもアリなんですが、どうでしょう。あまりピンときません。
正直なところ、ベストな一手を思いつくことができません。政府が次にどういった一手を打ち出すのか、注目したいと思います。
それにしても昔からよく思うんですが、コロナは現代社会の欠点をことごとく洗い出しますね。
資本主義は、どう考えたって限界があります。しかしそれを解決するのは今じゃなかったんです。本来長い時間をかけて解決し変化していくことを、この冬に考えなきゃいけないわけです。政府の皆さんも頭を抱えていることでしょう。