論述のテクニックに、ストローマン論法というものが存在します。
夫婦喧嘩から政治家の記者会見まで、幅広い場所で使われている手法です。
ストローマン論法とは
ストローマンというのは、藁人形という意味です。
そのため、藁人形論法とも呼ばれています。
ポイントとしては、論点崩しです。
完全な捏造だとさすがに議論になりません。相手がAと言ったことに対して、「お前はさっきBといっているが」と反論したところで、「そんなこといってないけど」となってしまいます。
大事なポイントは、AをBではなく、関連しているA’に置き換えることです。
冷静に考えればそんなこといってない!となるんですが、ぼーっとしていると相手のペースにはめられてしまいます。
ターゲットを別の場所(藁人形)に移してそれを攻撃することから、ストローマン論法と呼ばれています。
具体例
大事なポイントとしては、完全な捏造はしないことです。
関連しているけど、そんなことは言ってない、そこまでは言ってないというギリギリのポイントを攻め、話をすり替えて相手を攻撃するのが、ストローマン論法です。
少し具体例を見てみましょう。
例えばよくありがちなのはこちらです。
Aさん「あの芸能人、不倫であんなに叩かれて可哀そうだな」
Bさん「奥さんが一番かわいそうだろう!お前はロクデナシだな!!」
Aさんは芸能人がメディアで叩かれていることを可哀そうといっただけで、奥さんがかわいそうではないという話はしていません。論点のすり替えです。
冷静に文字に起こせば変な話だとはわかるんですが、エスカレートするとBさんがAさんに対して攻めるような形で議論が進みます。
Aさん「あの芸能人、失言であんなに叩かれて可哀そうだな」
Bさん「お前はあの芸能人の味方をするのか!この差別主義者が!!お前も同罪だ!!」
これはよく差別問題などでも関連してある話ですが、失言をした人の味方をすると叩かれるやつです。叩かれていること自体を可哀そうというだけで、自分も差別主義者扱いにされるパターンです。拡大解釈です。
他にもこういうのはたくさんあります。
さらに、実はネットではこういうの多いんですよね。Twitterや掲示板、コメント欄などで戦う場合、文字数が短いこともありストローマン論法はしばしば見られます。
対策法は冷静になること
実はこのストローマン論法、恐ろしいことは、ボケっとしていると相手が優位になることです。
しかも、ボケっと見ていると相手の方が優位に周りから見ても見えてしまうんですよね。
不思議なものです。
やられた時の対策としては、冷静になること以外にありません。
相手のペースに乗せないことです。同じ土俵に上がる必要はありません。
議論を前に進める必要もありません。
いくらでも立ち止まりましょう。
しかし自分もかっかしていると、相手のペースにハマってしまいます。
特に先ほど取り上げた不倫や差別問題、さらには環境問題、コロナなど、社会通念上どっちかが圧倒的に正しい、とされているものも多いです。
コロナ問題はよくストローマン論法は見られます。
Aさん「これ以上の休業要請、自粛が続いては商売あがったりだ」
Bさん「お前は感染が拡大してもいいというのか。お前がコロナで死ね!!」
とかも、典型的なストローマン論法です。
冒頭でも述べた通り、夫婦喧嘩から政治家の記者会見まで、このストローマン論法は多くの場所で見ることができます。みなさんもついうっかりやっていないか、チェックしてみましょう。