QUESTIONより:バンドマンもあまり知らない、デシベルの話


QUESTIONより

dbの謎が浮かんだので質問します。 近所でビルを建てる工事をしてるんですが、騒音と振動の数値をパネル表示しているのですが、単位がどちらもdbでした。 この場合、騒音と振動の数値を足した値が本当の騒音数値になるのでしょうか? それとも騒音だけで、振動はまた別換算なのでしょうか? どちらも空気が震えるための単位なのかなと思ったんですが、それなら足した数値でメーター1つでいいのでは?と思いました。 彩雨さんの見解、よろしければ教えてください。


dbという単位、これはデシベルと読みます。

音量でも使われる単位ですが、振動も同じ単位です。

少しわかりにくい!デシベルとは

デシベルというのは単位ですが、グラムのようなものとは少し違います。

例えばグラムですと、1グラムと2グラムのものを足すと、3グラムになります。

しかし騒音は、1デシベルと2デシベルの音を足すと、3デシベルになるわけではありません。

地球上では、大気の影響で194デシベルまでの音しか出せません。これが限界の音のでかさです。

ドライヤーはだいたい70デシベルと言われています。

じゃあドライヤーを3つ稼働させれば地球上で鳴らすことができない音を出せる、とはいきませんよね。

デシベルの増え方

デシベルというのは、足し算ではなく掛け算で考えていきます。

また、通常0デシベルというとなにもない、ということをイメージしがちですが、0デシベルは健康な人が音が聞こえるか聞こえないかギリギリの音、を意味します。

デシベルを音量とイメージしがちです。バンドマンは特にそうです。

実生活だとそれは間違っていないのですが、厳密には音のパワーを意味しています。音圧、とも言います。

そのパワーは、対数的に増えていきます。

つまり1デシベルと2デシベルはそこまで大きな違いはありませんが、その数字が増えていくことにつれて、爆発的に大きなパワーになっていくのです。

0デシベルに対し、10デシベルは10倍、20デシベルは100倍という形で膨れ上がっていきます。

振動もデシベル

おなじように、振動もデシベルで表現されます。

工事現場で二つの表示があるのは、どちらも同じ単位が使われているからであり、同じものというわけではありません。

音と違って、健康な人がギリギリ感じられる振動は55デシベルとなっています。

工事現場だと騒音も振動も数値も同じくらいですので、単位も同じだし何が違うんだろうと思う人もいそうですが、別物ということです。

このように違うもので同じ単位を使うなんてややこしいと思われそうですが、どちらも減衰するんですよね。

音も振動も、近ければ大きいし、遠ければ小さいですよね。

デシベルというのは、パワーに対しどう減衰するのか、というところまで表すことができる数値となっています。

同じ理由で、電力関係でもデシベルは使われています。

まぁ難しいですよね。バンドマンでもきっと1デシベルと2デシベルを足すと3デシベルになると思ってる人多いと思います。