SNS解析から”刑事の勘”まで?AIによる犯罪捜査はどこまでOKか


SNSはまさにその人を写す鏡のようなものです。

性格、趣味、思想など、多くのものを反映しています。

それらと合わせて、交友関係についてもそうです。

警察庁がSNS解析システムを導入へ

少し古い記事ですが、興味深い記事がありました。

警察庁がSNSを解析し、犯罪捜査に役立てるというものです。

警察庁SNS解析システム導入へ AI捜査で人物相関図作成(共同通信) – Yahoo!ニュース

具体的には、人物相関図をSNSを解析し、AIが作るというものです。

まぁ確かに容疑者がいて、その人のSNSを解析すれば、その人の周りにどんな人がいるのか、その相関図を作ることはできそう。

SNSといっても、FacebookやTwitterは10年以上の歴史があるものです。

リアルの知り合い、ネットで知り合った人など、たしかに犯罪捜査には役立つかもしれません。

AIが犯罪予備軍を見つける未来はありえるか

さて、こういったテクノロジーと犯罪捜査という切り口で考えると、まっさきに思い浮かぶのがアニメ「PSYCHO-PASS」の世界です。

犯罪しそうな人を、犯罪する前に逮捕する、というようなものです。

マイノリティ・リポートなんかもそういった話です。

これらはSFですけども、いきなり逮捕するとかそこまで極端な世界とまでは行かずとも。

AIがあの人、なんか危ないかも、という世界くらいにはなりそうな気も。

実際に、警察官は怪しい人には声をかけて職務質問をしますからね。

走っている車を見るだけで、薬をやっている人かどうかを判別できるなんて話もどこかで聞いたことあるような。

そういったものも長年の経験や知識の集大成というものでしょうが、AIがやるかベテラン警察官がやるかどうかの違いで、見た目や行動で”怪しい人”をジャッジするということは、現在も普通に行われていることです。

そう考えると、AIが「あの人怪しいからチェックして」と判断することは技術的にはできそうな気も。

そうなれば、例えばスーパーの店員に「あいつ万引きするかも」とかの警告をこっそり出すとか、有り得そうな気も。

しかしこれ、非常に際どいラインです。

どういう仕組みでこれを作るかにもよりますけど、例えば人種や年齢、性別などでそういったものを判断する可能性もはらんでいます。

人をカテゴリーで判断するのは、危険なことですからね。

人とAIは、判断や思考のプロセスってけっこう近いところがあります。しかしそれを人がやるかAIがやるかで、社会的にはちょっと違う捉え方になりそうです。こういったいわゆる「刑事の勘」なんてまさにそれ。

ビッグデータを大量に収集し解析すれば、将来的に犯罪をする可能性が高い人というのはあぶり出せるのかもしれません。問題はそれをやるかどうか。

技術と倫理の問題ですね。

こういったことも、今後の社会の議題として上がっていきそうです。