これはスタエフの文字起こしをブログ化したものです
さて、今日は少し硬い話ですが、先日発足した新内閣で、小泉進次郎氏が防衛大臣に就任しました。そして、その小泉大臣が、日本の「原子力潜水艦(原潜)」保有の可能性に言及したことが、静かな波紋を広げています。
原子力潜水艦が持つ、圧倒的なアドバンテージ
まず、誤解のないように言うと、原子力潜水艦は核兵器ではありません。しかし、その動力源に原子力を用いることで、通常の潜水艦とは比較にならない、圧倒的な能力を持ちます。
最大のメリットは、長期間にわたって、補給なしで潜航を続けられることです。
何ヶ月もの間、誰にも知られずに海の底に潜み、世界のどこにでも現れることができる。その存在は、敵国にとって計り知れない脅威となります。かつて大ヒットした漫画『沈黙の艦隊』が描いたのは、まさにこの原潜が持つ戦略的な重要性でした。
「核の傘」の下で、防衛力を高めるという選択
現代の戦争は、テクノロジーの進化と共に、その様相を大きく変えています。そうした中で、日本の防衛力を高めるために、原潜という最先端のテクノロジーを導入すべきだ、という議論が生まれるのは、ごく自然な流れです。
しかし、これは非常にデリケートな問題です。日本には「持たず、作らず、持ち込ませず」という非核三原則があります。原潜の保有は、この原則に抵触するのではないか、という懸念は当然生まれるでしょう。
僕個人の考えとしては、日本が核兵器を保有することには反対です。それは、日本が世界の多くの国から睨まれる対象となり、結果として国益を損なうリスクが高い、と考えるからです。
アメリカの「核の傘」の下で守られながら、その範囲内で、できる限りの防衛力を高めていく。トランプ大統領が求めるのも、おそらくそうした姿でしょう。現在の日本の立ち位置としては、それがベストな選択だと僕は思っています。
議論のスタートラインに立った日本
では、原潜はどうでしょうか。核兵器ではない、しかし原子力を軍事利用することになる。これは、非常に難しい判断です。
今回、小泉大臣がこの問題に言及したことで、日本は「原潜を保有するか、しないか」という、長期的な議論のスタートラインに立ったのかもしれません。
原子力というテクノロジーは、私たちの社会を支えるエネルギーであると同時に、常に大きなリスクをはらんでいます。この巨大な力と、私たちはどう向き合っていくべきなのか。今回のニュースは、そんな根源的な問いを、私たちに投げかけているように思います。