みなさんは、生活の中でインターネットを使っている時間とテレビを見ている時間、どちらが長いですか?
自分の場合は、もうみなさんもおわかりでしょうが、圧倒的にインターネットを使っている時間が多いです。テレビをつけているときも、ほとんどがDAZNだったりAbema TVだったりとインターネットのサービスばかり使うわけで、その差はかなりのものがあると思います。
インターネット、とりわけ常時接続という概念が登場して20年、このブログでも何度か取り上げていますが、テレビの在り方に変化が訪れています。
2019年、利用時間がテレビを超える
調査会社のZenithが発表した、世界のメディア接触時間レポートによると、世界の利用時間でテレビをインターネットが超えるという予測を発表しています。
これは当初の予測を超えるスピードといわれています。その一因となっているのはスマートフォンの普及です。当初は富裕層しか持てなかったスマートフォンですが、今は新興国で格安のスマートフォンが多く登場しています。その結果、世界の人たちの多くがインターネットを使うことができるようになったのです。
広告費もテレビの広告総金額よりもインターネットのそれが来年は6.5兆円もうわまわるという予測もあり、メディア、娯楽、あらゆる方面でインターネットの重要度を増していることを示します。
テレビ放送をインターネットで流せるか
テレビ放送をインターネット上でリアルタイムで流すというのは、技術的には全く問題のないことです。ですが、権利問題がそれを阻みます。
その一方で、NHKがテレビ放送とインターネットの同時配信を目指しています。CMのないNHKのほうが、こういったことはやりやすいのかもしれません。
NHKに関しては受信料を支払うことで運営を行っています。NHKがインターネット放送を始めることで、より多くの受信料を得ることができるのではないか、という批判もあります。このあたりはどうなるかわかりませんが、インターネットへの取り組みとしてはNHKがやはり一歩リードしている感はあります。オリンピックなどでもネット放送には積極的でしたからね。
メディアの影響力
インターネット、とひとくくりにしてしまうと、かなり広義です。主要ニュースメディアの文章も、このブログの文章も、言ってしまえばネットにアクセスして得られる情報という意味では等しいです。テレビや新聞に関しては、「この情報はテレビで言っていたので間違いない」「この情報は新聞に書いてあったので間違いない」というニュアンスもありますが、逆に「この情報はインターネットに書いてあったので…むしろ怪しい?」という感じもありますよね。
メディアの影響力という意味では、テレビや新聞よりもやはりインターネットの方がイメージ的にはちょっと劣るような気もしないでもないです。
その一方で、某グルメサイトの口コミだったり、ツイッターのトレンドだったりと、一般の方が発信した情報にすさまじい影響力を持つこともあります。ここが面白いところではありますが、逆にインターネットの難しさでもあります。恣意的な情報操作、印象操作がやりやすい面も、やりにくい面もあるのです。
バンドにとっては有利な時代?不利な時代?
各企業は、今までと同じやり方でメディアを使うことはできなくなります。これは資金力のある大企業が必ずしも有利になりえなくなる、という意味でもあります。そういう意味では、これから先は海外も含めて新しい小さい会社が、これまで参入できなかった分野で活躍できる可能性も増していくのかなと思います。実際にそういう会社も出てきていますからね。そんなところが、これからの時代とても楽しみだなと思っています。
これって、バンドにとってもあてはまることです。昔でしたら、どうしても音楽はテレビ番組で使われて、有名な雑誌に載って、という方が有利でした。今でももちろんそうですが、昔ほどこの流れは強烈ではありません。その結果というわけなのかはわかりませんが、歌番組は90年代のころからかなり減り、音楽雑誌もかなり減っています。
これは逆にいえば、金さえあれば人気バンドを作れる、というわけではなくなってきたことを意味します。事務所運営側は頭を悩ませるところです。
小さい事務所で、まだ動員も少なく資金力に劣るバンドでも、もしかしたらある面においては昔よりもチャンスが広がっているのかもしれません。その変わり、ステレオタイプにありがちな「こうすれば売れる」という道筋が通用しなくなり、ある面においては難しくなっているところもあるのかもしれないです。
そういう意味では面白い時代ではあるんですけどね。これから先、どんなバンドが、そしてどんな企業が登場してくるのか楽しみです。