ガソリンの値上がりが、なかなか落ち着きませんね。
サービスエリアでは、160円を超えるところも続出です。ガソリンの値段って車に普段乗らない人にはあまり関係のない話かもしれませんが、ガソリンを使うのは車を持つ人だけではなく、車で仕事をする人に大きな影響を与えます。
先日のAmazonのセールで運送業はきっと大変だったと思いますけど、運送業なんてまさに直接影響を受ける仕事です。
バンドマンにとっても他人事ではなく、たかがガソリン代とはいえ、ツアーバンドにとってはジワリジワリと経費を圧迫していくものなのです。
その他には、電力会社、さらにはクリーニング業もドライクリーニングで石油を使うので、そういった業種も影響を受けています。
石油の値段は日々変わる
ガソリンは、要するに石油です。石油が高くなればガソリンの値段も変わります。たとえば日々ラーメン屋の値段が変わるかというと、変わりません。ですが、ガソリンは変わります。
石油の価格は毎日、といいますか、毎秒変わります。石油の原料である原油は先物取引として上場しています。僕らのような一般人でも、証券会社を通じて、株を買うように原油を買うことができます。そのため、毎秒価格が変わるのです。
なんで原油の値段が上がるのか
原油の値段は、ここ10年で上下を繰り返しています。近年の原油値上がりは、OPECという中東やアフリカを中心とした石油輸出国が集まった石油輸出国機構というのがありまして、そこが原油を減産しよう、要するに原油の供給量を下げよう、ということで合意したからです。
原油の供給量が少なくなるということは品薄になるということで、値段が上がります。
実はこれには、そもそもなんでこうなったかという理由もあるのです。
近代の世界は、石油とともに発展していきました。世界中の国が石油を買います。そのため、石油が取れる国は潤います。しかし、時代が経つと新しいエネルギーも登場します。
その一つがシェールガスと呼ばれる天然ガスです。これが、なんとアメリカでたくさん取れるのです。ですが、シェールガスというのは取り出して実用化するのがけっこう大変で、最初はまだまだ実用化は先だろうと思われていました。しかしアメリカはその技術力で天然ガスの実用化を可能にしました。
石油に代わる安価な新しいエネルギーが登場するのは、それこそ世界の構造を変えるほどのパワーを持っています。シェールガスの実用化はまさにシェール革命と呼ばれています。アメリカでは原子力発電を廃炉にしてもガスをどんどん使って発電できちゃうほどでした。
しかし、これを面白く思わないのが中東など世界の石油輸出国です。シェールガスにシェアを奪われる前にガンガン石油を掘り出して、原油の価格を下げて世界各国がシェールガスを使わせないようにしようとしたわけです。
ですが、結果的には失敗します。原油の値段が下がりすぎてしまって、不安定となり、これはこれで石油輸出国にとっては辛い状況になってしまいました。さらに技術力の向上でシェールガスも値下がりしていきますからね。
さすがにこれじゃやばいね、ってことで、石油を掘りまくってたけど、少し抑えようか、となったのがここ数年の状況です。
今後の石油の値段はどうなる?
実は原油価格の上昇はもうすでに落ち着いているようにも思えます。ガソリンの値段も、これから200円、300円とうなぎ上りになっていくわけではありません。
シェールガスもそうですが、新しいエネルギーはどんどん登場してくるでしょう。自動車に関しても電気自動車も登場していますし、発電に関してもさまざまな方法もありますし、必ずしも石油を使わなくてもいい時代に向かっています。
まぁ正直なところ、100年後、200年後は中東各国も今のように石油に頼った国家運営は難しいのではないかと思います。どこかでシフトチェンジをしなければならないタイミングがくるでしょうね。