2008年9月15日、リーマンショックから10年が経ちました。
ちなみに摩天楼オペラはその翌週にEVEや蜃気楼などが収録されている「Spectacular」が発売されるタイミングですね。あれから10年も経つのか。
前編はこちらです。まずはこちらからどうぞ。
前編では、そもそもリーマンショックとはなんなのか、という話しをしました。当時、アメリカでは300を超える銀行など金融機関が破綻したと言われています。恐ろしい話ですね。
世界へ広がる不況
普通に暮らしていたら世界恐慌なんて関係ない?そんなことはありません。
リーマンショックは数百年に一度レベルの世界恐慌です。おそらく世界経済の歴史として100年後、200年後の社会の教科書にも載るかもしれません。
どんな仕事をしていても、いや無職のニートでも影響します。特に日本ではね。
日本の株価は、もうずっとアメリカの株価の影響をダイレクトに受けます。現在は日本の株価は非常に好調ですが、それはアメリカ経済の好調さに支えられているものといっても過言ではありません。そういう意味では、この10年間でよくもまぁどん底からここまで這い上がったものですね。
お金というのは、なにかに形を変えないと維持することができません。宙ぶらりんではいられないのです。どういうことかというと、ドルをたくさん持っていてリーマンブラザーズの金融商品を買ったわけですが、それを手放すということは再びドルを買うようなイメージに近いのです。なにかを持たなくてはなりません。どうせなら、価値が下がらないもの、安全なものに自分の資産を移したほうがいいですよね。これまで金が増えたらいいなと思って金融商品を買っていたら価値が下がったので、もうとにかく価値が下がらないものに変えたいという心理が働くのは当然です。
価値が下がらないもの、日本にいるとイメージがわきませんが、実は世界の共通認識として資産を安定させたいのであれば、日本円を持っとくのがいいというのがあります。
その結果、世界中から日本円が買われ、日本円の価値があがります。円高です。
あの頃、1ドル104円ほどだったのが、2008年には80円台後半までストンと円高になりました。円高になってうれしいのは海外の機材を安く買いたいバンドマンとか、海外旅行が大好きといった限られた人間だけで、基本的には大ピンチです。なぜかというと、日本は自動車のような工業製品を輸出するのが得意分野ですが、円高だと車を海外で売っても、日本円に換金したらそんな利益にならなくなっちゃうからです。
アメリカはその後、うまく経済対策をして早めに危機を脱することができました。日本は政治的手腕を発揮できず、さらにその後の東日本大震災といった別の要因もプラスされ、回復には時間がかかってしまいました。2011年には1ドル75円という、誰もが体験したことないほどの円高になりました。
この経済対策も量的緩和といって、お金を世の中に大量に流すことでどうにかした、って感じのものです。お金なくなったからお金流せばいいんだろー的なやつです。それによる影響もじわりじわりと残っているので、そういう意味ではリーマンショックはまだ続いているという考え方もできるのかもしれませんね。
あれから10年
リーマンショックって、原因などをシンプルに考えると、そりゃ無理じゃん!!って感じのものなんですよね。しかしそういうのが当時はなかなかわからないものなのでしょうか。住宅の値段が上がり続けるなんて、ありえないことです。住宅に限らず、なにかの価値が上がり続けるなんてことはありません。よくわからないのに上がり続けるのであれば、それはまさにバブルです。
投資家は、こういったバブルを見抜く力がなくてはなりません。そういう意味では、仮想通貨のすさまじいバブルの過熱感も、リーマンショックを経験した直後だったので、投資家はどこか冷静にとらえていたところもあるのかもしれません。リーマンショックがなければ、仮想通貨で大損した人はもっとたくさんいたかもしれません。その分、そのバブルももっとすごかったかもしれないですけどね。
世の中、そんなうまい話はありません。このリーマンショックも、そもそもは住宅ローンが健全でないことが理由でした。ただ金儲けすればいいだけの経済ではなく、健全であることが大切です。
ただ、健全であり続けるというのも難しいことです。今回のスルガ銀行の件も、ちょっとリーマンショックのときのように、ひたすら人に預金額などをちょろまかしてまでも貸しまくったという問題があります。これをずっと続けていたらスルガ銀行もダメになってしまったかもしれません。
歴史は繰り返すわけです。また100年後くらいに同じようなことが起きるのかもしれませんが、どうなることでしょうね。