かつて中野に日本最大級のドッグワールドがあった


中野サンプラザにサンモール、多くの人が集まる魅力的な街、それが中野です。新宿からすぐという好立地もあり、人気のエリアです。

ですが、あまり知られていないことかもしれません。

そう、かつて二子玉川にあった「いぬたま」を遥かに上回る日本最大級のドッグワールドが中野駅周辺にありました。

生類憐みの令

江戸時代、今から200年以上も前の話です。当時は徳川綱吉が将軍でした。綱吉は動物、とりわけ犬を保護する生類憐みの令というルールを作りまして、徹底的な動物保護が行われました。犬は「お犬様」と呼ばれ、野良犬でも幕府管理の権威ある存在として扱われたそうです。

今から200年以上も前の話です。現在の中野駅周辺に、巨大な犬小屋が作られました。なんと16万坪です。(30万坪以上という記述もあります)

今の時価で換算したらすさまじい金額ですね。

犬のスペースだけではなく、犬専用の医者なども常駐したそうです。

中野には囲町というエリアがありますが、この名称はまさに犬のために囲い場を作っていたことに由来します。

その後の中野

ではその後、中野はアニマルワールドとして発展していったのかというと、そういうわけでもありません。綱吉の死後、生類憐みの令が撤廃されると犬小屋も解体されました。

基本的に新宿以西は江戸時代はあまり発展していない地域とも言われています。江戸時代の中野以西の中央線エリアは将軍が鷹狩りをするような場所でした。三鷹という地名もありますが、あれなんてまさに名前から鷹狩りがしていた様子がうかがえます。ちなみに三鷹の3というのは、三つの領土で管理されていたことが由来とされています。

中野が発展していったのは、明治時代に中野駅が登場してからです。その後、関東大震災が発生します。この震災により、東京中心であった人口が郊外へ流出していきます。その結果、中野をはじめ東京近郊の人口が増加していくことになります。そして現在の中野になっているわけですね。

犬はどうなった?

では、江戸時代に中野で飼われていた犬はどうなったのでしょうか?調べてみると、近隣の住民が面倒をみたとのことですが、あまりにも数が多かったので、預け先が所沢や厚木まで及んだと中野区のホームページに記載されていました。

生類憐みの令が廃止されたとはいえ、もともと権威のあった犬ですから、雑な扱いはできなかったのかもしれません。生類憐みの令が登場するまでは、犬などの動物に危害を与えることも多かったという話もあります。まぁ違反して切腹になった人もいたみたいで、歴史の授業の中ではちょっと変わった法令として扱われることが多いですが、なんかそれだけで済ませてはいけないようにも思えるんですよね。

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