QUESTIONより:バーチャルユーチューバーから考えるエンターテイメントの未来


QUESTIONより

ジャニース事務所からバーチャルアイドルが誕生した事がニュースになってました!キャラの声もジャニース事務所に所属する若手の子が担当する様です。キャラのヴィジュアルは良いのですが…個人的にキャラの声がアイドル感がなくて残念かなと💧 最近バーチャルユーチューバーもいますし、そのうちバーチャルバンドマンとか出てきそうですね。 アイドル好きな彩雨さんに質問です!最近のバーチャルアイドルについてどう思いますか?


個人的にはバーチャルユーチューバーというのは非常に注目しているジャンルです。ちまたでは最近は民放に出てもうオワコンだ!みたいな意見もあるようですが、個人的には一過性のブームというより、その潜在的な部分に注目しています。

以前にも同じテーマで記事を書いたことがありますが、重複するところもあれど、もう少し考えたものを書いていこうと思います。

バーチャルな存在に熱狂できるか

「アニメでいいじゃん」という意見も見られます。

ですが、自分はアニメとは違うと思っています。

では、何が違うのか。

この違いを明確に定義づけできないのですが…

しかし、ないものに定義を付けるのが学問です。このなんとなく違うと思う、という感覚は大事なことで、もう少し考えてみたいと思っています。

近年はアニメ関係のステージが増えています。

アニメキャラと連携させながら声優さんがステージをするケースも増えてますし、いわゆる2.5次元と呼ばれるお芝居もあります。

それらはあくまで人間がステージに立つものです。

また、多くのアニメ作品があり、そういったキャラに陶酔している人は多いです。

その側面には声優というリアルな存在もあります。

おそらく数多くのアニメファンは、自分が陶酔しているキャラの声優さんがだれなのか把握していると思います。

ここにリアルとバーチャルの二元性が確実に存在するのです。

リアルとバーチャル

その一方で、初音ミクの存在があります。初音ミクは以前より実際にホログラムでライブを行うなど、さらにもう一歩進んだなにかがそこにはあります。

ボーカロイドにも元になっている声優さんは存在しますが、ボーカロイド文化に関してはアニメで見られるようなリアルとバーチャルの二元性はそこまで見られないような感覚があります。

早い話が、声優さんが誰だか分ってるけど、ボーカロイドが好きな人はアニメに比べると、そこまでボーカロイドの声優さんを意識してないという話です。意識している人もいると思いますけど、あくまで感覚的な統計です。

そして、バーチャルユーチューバーです。

こちらにももちろん、声を当てている人がいるわけです。

しかし、多くのバーチャルユーチューバーはその声をだれがやっているのか、公式では明らかにしていません。

アニメ、ボーカロイド、バーチャルユーチューバーと進むにつれて、リアルとバーチャルの二元性が薄れていくのが特徴です。

そんなバーチャルユーチューバーには多くのファンがいて、配信を楽しんだり、ライブのステージを楽しんだりするわけです。

このリアルとバーチャルの二元性がポイントで、今後バーチャルユーチューバーのイベントで、端的にいうのであれば、例えば声を当てている声優さんがそのバーチャルユーチューバーに似た格好をしてステージで歌って踊る方向へ行くのかどうなのか、という話です。

個人的には先ほどの二元性の流れで考えると、そうならないと思っています。

自分がバーチャルになれるかが今後の鍵

現在のエンターテイメントはバーチャルの存在をどうリアルに収めていくか、というのが切り口になります。

当たり前の話ですけどね。

この感覚のギアが変わる瞬間は、バーチャルの存在がリアルに行くのではなく、リアルの存在がバーチャルに行く瞬間であると思います。

オンラインゲーム内で結婚式をするとか、ある意味それもなにか近い感覚があるのかなと思います。

しかしそれは画面とコントローラーを通してそこの世界に入ることができる人だけができる技です。

この世界を簡単に体現してくれるものこそがテクノロジーで、先日マイクロソフトがHoloLens2を発表しましたが、そういった未来のMR技術が自分をバーチャルな存在へ、そしてバーチャルな世界へと誘ってくれることでしょう。

バーチャルな世界に行ってしまえば、その熱狂する対象が同じくバーチャルになったリアルの人かもしれないですし、AIが作ったオリジナルキャラかもしれません。ですが、それは極論どちらでもいい話です。

もしかしたら、バーチャルな世界でAIと一緒にバンドをやるような時代がくるかもしれません。音楽をやる上で、一緒にやるメンバーが人間かAIかなどはどうでもいい話で、趣向や考え方が合う方が大事ですからね。

今の技術ではそこまでの没入感があるものはないでしょう。すべてはSFの話です。

ですが、数十年後、数百年後はどうでしょう。

新しい未来のエンターテイメントの走りとして、こういったバーチャルユーチューバーの存在があるかもしれません。