宇宙犯罪というと、どのようなものをイメージしますか?
なんだかSF漫画で出てくる闇の宇宙人組織みたいな想像をしてしまいがちですが…
そんな宇宙犯罪が、先日ニュースになっていました。
人類初の宇宙犯罪?
事の発端は、同性婚している女性が離婚訴訟中である女性の銀行口座に不正アクセスした疑いがある、という事件です。
もっとも、夫婦だったら家族用の口座としてお互いに同じアカウントにアクセスするなんて日常茶飯事のようなことのように思えますので、これで不正アクセスだ!とか言われてしまうのもちょっとかわいそうではありますが。
ただ、今回のニュースの話題はその銀行口座へのログインというよりは、そのアクセスした場所に関心が集まっています。なんと、国際宇宙ステーションからのアクセスだったのです。
人類初の宇宙犯罪か=NASA調査(時事通信) – Yahoo!ニュース
これまで人間が宇宙へ飛び出して数十年、これが人類史に残る初めての宇宙空間での犯罪になる可能性があります。
宇宙はどこの国?
通常、犯罪はどこの国の人であっても、その犯罪が起きた国の法律によって裁かれることになります。
日本人でもアメリカで犯罪を犯せばアメリカの法律で罰せられます。
では空だったらどうでしょうか?空は少し事情が複雑です。
基本的には、飛行機内の犯罪については、その飛行機の所属国がどこなのかによって取り扱いが変わります。
日本の飛行機ならば、日本の刑事事件として扱われるわけです。
しかし、法律というのは属地主義といって、そこのいる場所の管轄が扱うという考えからもあり、その犯罪が起きたときに飛んでいた国が扱う、ということも理屈ではできるといいます。
まぁバスで移動中に乗客がもめて傷害事件が起きればそのバスが通っていた場所の警察が対応するわけですし、それが飛行機だったというだけのことです。
実際に、2012年に客室乗務員のスカートの中を盗撮した男性が、そのときに飛んでいたのが兵庫県上空だったため、兵庫県の条例に則って逮捕されました。しかしこの事件は、その事件発生時刻を正確に記す証拠がなく、その件の条例を確実に適応できず、釈放になったそうです。
では宇宙だとどうでしょうか?
基本的に宇宙空間ですと、目まぐるしく地球の上空を飛ぶので、上空の国がコロコロ変わってしまいます。
そのため、ある一定の高度へ達すると宇宙空間として、国際的に定められた宇宙法によれば領空権は適応されないことになっています。
ではどこの国の法律が適応されるかとうと、そのロケットなどの管轄がどこの国にあるかによって決まります。
そのため、日本のロケット内で犯罪が起きれば、たとえそれがアメリカ上空の宇宙でも、日本の法律が適応されるようになるのです。
国際宇宙ステーションは多国籍ではありますが、それぞれの場所に所属の国があるので、適応される法律も自分がどこの区域にいるかによって変わるわけですね。
では、月面で犯罪が起きたらどうなるでしょうか?
基本的に月面は宇宙法によって、どこの国も領土権を主張できないことになっています。
そのため、どこの法律がどう適応されるかは、なんともいえませんね。その月面へ向かうロケットの管轄になると予想されますが、厳密にいうとどうなんでしょうね。
人間の宇宙進出が進むにつれ、こういったことも現実的に起きるようになるかもしれませんね。