ブログでもたびたび登場している話題ですが、自分はキャッシュレス推奨派です。
100%とはいわずとも、なんだかんだで日本でもゆるやかにキャッシュレスへ移行していくことになると見ています。今やお年寄りでもSuicaを使って電車やバスに乗りますし、クレジットカードについては日本はどちらかというと最初から馴染んだ文化でしたしね。
災害時はどうするとか、もちろんいろいろな意見はあるでしょうが、数十年後はもっと利用者は増えることになると思われます。今がちょっと増税と合わせて国が推奨していることもあり、なんとかPAYが乱立し騒ぎすぎている印象はありますが、時間をかけてゆっくり変わっていけばいいと思います。
数百年後はどうだろう?
ただ、上記の話もあくまで10年後、15年後くらいの話です。
では、数百年後はどうでしょう?
実は自分としてはもしかしたら再び現金の実用性が高まる可能性もありそうだなと思っています。
まぁ、ここからはファンタジーの話です。
コンピュータの高性能化と暗号技術
現在、電子マネーや仮想通貨、銀行口座など、僕らは多くの資産を現金ではなく、データに置き換えて暮らしています。
現金派のみなさんはここで引っかかるかもしれませんが、みなさんも給料を口座へ入れられる時点で、なんだかんだで資産をデータ化するしかないのです。自分の全財産を現金や金銀財宝などに置き換えて自宅の金庫に入れて保管している人は少ないと思います。
それが成り立っているのは、それぞれのコンピュータがネットワーク機能を使ってしっかりと悪い人に奪われないようにセキュリティをしているからで、その安心感がそれを支えているわけですね。7Pay騒動はあったにせよ、日常的に普段利用していて、銀行のネットワークやセキュリティを疑っている人は少ないと思います。
そのあたりをもう少し考察すると、たとえハッキングが得意な天才がいたとしても、使えるコンピュータの性能には限りがあります。そのため、どんなハッカーが現在地球上に存在するコンピュータを使ってもセキュリティを解けるはずはないだろう、という仮定のもと、一つ一つのデータがしっかりと守られているのです。もちろん、実際どうかは別としてですけどね。
言い方を変えるのであれば、南京錠で安全だと思うのは、ここをわざわざ南京錠を破ることができる人はいないだろうという前提のもとで成り立っているセキュリテイです。じゃあ銀行の倉庫が南京錠ではない理由は、南京錠だったら誰かに破られてしまうかもしれない、というところです。
未来のセキュリテイは南京錠レベル?
ここでコンピュータの性能についての話ですが、現在はなんだかんだで、この世の中にあるコンピュータ性能の限界値というのをなんとなくみんながわかっています。そのため、それに合わせた技術があるわけです。
30年前くらいの暗号化やコンピュータの技術だと、今の技術なら破れてしまうかもしれません。ですが、当時はそれでも安全だったのは、30年前くらいの技術はそれくらいだろう、となんとなくみんなが思ってからです。
ですが、巷でよく言われているのは、コンピュータ性能がAIの登場によって対数的に向上するということです。これまで1年かけて人間が行っていた進歩をAIが1日でやってしまう可能性もあります。
そうなってしまったとき、現在のセキュリティは安全でしょうか。
ここの会社が開発しているAIのセキュリティはこれくらい、でも翌週には別の会社のAIがそれを遥かに凌駕するセキュリティを作るかもしれない、その翌週にはそれをも凌駕する悪い人たちが使うAIが地球上のすべての暗号化を無効にするほどの技術を作るかもしれない、というところで、未来と今の違いは、人間がこの時代にあるコンピュータの性能を把握することができなくなる、ということです。
こうなると、資産のデータ化、暗号化なんて怖くてとてもできません。まさに南京錠の金庫に自分の全財産を入れるようなもの。自分の大事な資産はデータ化するよりも、現金など物に変えて、やり取りも現金で行わないと不安になるかもしれませんね。
安心と信用のもとに経済は成り立つ
通貨がなぜ通貨として使えるのか。1万円札があっても、その1万円札は所詮はただの紙切れです。その紙に1万円の価値をつけているのは、それを発行している国家の信用があるからです。国がその価値を保証してくれるわけです。
現在、Suicaやクレジットカード、QRコードなどいろいろなサービスがキャッシュレスにはあります。さらには仮想通貨のような、国が絡んでいない通貨まで存在するようになりました。それらを支えるのはコンピュータ、そしてセキュリティ、暗号化の技術に対する安心と信用があるからです。
今の時代はそれで問題ありませんが、未来は果たしてどうでしょうか。安心と信用のもとに経済は成り立つわけで、それがなくなったとき、社会はどう変わるのでしょう。