前回、ブログでも紹介した「まぬけなピアノ」の続編ができました。
夢の中でアドバイスをもらった
前回のブログで「音楽の概念はいらない」と書いたのですが、あの曲を作った夜に夢の中でもう一人の自分に突っ込まれまして、ちょっと議論をしました。そこで夢の中の自分が言うには、全音音階にすれば、Sonic Piとの相性もよく、音楽的な手法も相まってちょっと幻想的な音楽にもなるのではないかと。なるほど、全くその通りです。
また曲作りました。タイトルは「まぬけなピアノ」よろしくどうぞ。全音音階というのは、ドレミファソラシドの音階ではなく、ドレミファ#ソ#ラ#の6音から成立する音階です。ちょっと浮遊系の音階でドビュッシーなんかがたまにこれを使います。その昔、ピアノが普及し、純正律から平均律へと音律が変わり定着したことにより可能になった、長い音楽の歴史でいえば比較的新しい音の使い方です。
プログラムと相性のいい音階
この全音音階というのは、音が全て全音、カラオケでいうところの+2の関係で成り立っています。前の音も後の音も全て2違い、要するに偶数番号で音階が決まるので、プログラム的には自然数×2で偶数を作ることができ、数字で音階を表しやすく相性がいいなと思いました。
メロディをどう表現するか
メロディを乱数を使いどう表現するかもポイントでした。ピアノでいう右手の部分は三度の重なりから、その次に確率論で上に行く場合と下に行く場合で分けています。時間軸にもランダム性を持たせているので、全音音階の中でメロディ(のようなもの)にすることができました。うまく変数を使うのもコツで
play m
play m-4
というのが三度ハモリで
3回に1回は
sleep 0.3
play m-2
で8部音符でひとつ下の音をならします。ここはあえて固定にしました。
3回に2回は
sleep 0.3
play m+rrand_i(0,3)*2
で上の音をランダムで鳴らすようにしています。上に行くほうに幅をもたせるほうがドビュッシーっぽいなと思いましたね。でもここも8部音符で固定です。ここまでが一つの音塊です。
sleep choose([0.6,0.9,1.2])
で音塊と音塊の間の感覚を変えることで、メロディ(らしきもの)になるようにしています。まぁこのへんに関しては、もっといろいろできそうな気もしますけどね。
左手に関しては
play choose([:Gs2,:C3,:E3,:Gs3]),release:2
sleep rrand_i(1,4)*0.6
4つの音の中で指定したどれかが鳴るようにしています。6音にするよりもコード感が安定するかなと思いました。
講義内の実習時間でやってみた
昨日の講義がちょうどSonic Piの講習でして、そこで学生たちに作品を作らせている時間で作って講義の最後に流しました。プログラムはこちらです。
Sonic Piのピアノがあんまり好きな音じゃなかったので、初期設定のビープ音にしました。電子的な味があって好きですね。
use_random_seed 1
with_fx :reverb,mix:0.8 do
#intro
n=40
16.times do
play n
n=n+2
sleep 0.3
end#right hand
in_thread do
loop do
m= rrand_i(33,40)*2
play m
play m-4
if one_in(3)
sleep 0.3
play m-2
else
sleep 0.3
play m+rrand_i(0,3)*2
end
sleep choose([0.6,0.9,1.2])
end
end#left hand
in_thread do
loop do
play choose([:Gs2,:C3,:E3,:Gs3]),release:2
sleep rrand_i(1,4)*0.6
end
end
end