この季節は星がきれいに見えますね。昨夜も、帰り道にオリオン座がきれいに見えました。
そんなオリオン座の中でも光り輝く、左上の星がベテルギウスです。おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンとともに、冬の大三角を形成していることでも有名な星ですね。
ベテルギウスで何が起きているのか
そんなベテルギウスでは、今何が起きているのでしょうか?
実は今、ベテルギウスが急激に暗くなっています。暗くなっているといっても、肉眼で見える星のなかではかなり明るい方なのではありますが、その変化のスピードについて、いろいろな意見がでています。
星はとても寿命が長い存在ですので、もちろん暗いときもあれば明るいときもあります。とはいえ、現在の変化のスピードはそういった周期と同じものではないかもしれない、という見方があるわけです。
早い話が、ベテルギウスが爆発してしまうのでは、ということです。
星が死ぬとき
大きな恒星が一生を終えるとき、大きな爆発を起こします。それを超新星爆発といいます。星は静かに死ぬわけではないのです。
星は長い寿命があるので、寿命を迎える瞬間というのはなかなかないことです。太陽だって寿命を迎えるのはまだ先です。
ですが、星はこれだけたくさん数があるので、統計的には僕らが住んでいる銀河だけでも数百年に一度は星が死んでいるといわれ、人間の歴史の中でも超新星爆発についてと思われる記述も残っているそうです。
ちなみに太陽はそれほど大きいわけではないので寿命は100億年はあるといわれています。一方でベテルギウスはめちゃめちゃでっかくて、放出するエネルギーもすさまじいです。ですがその分早く寿命を迎えるということで、だいたい1000万年くらいの寿命だと推測されています。
まぁ要するに、今がそのときでもおかしくないわけですね。
地球に影響はある?
ベテルギウスは、642光年も離れた遠いところにあります。とはいえ、地球にとって無関係と必ずしもいえるわけではありません。
超新星爆発の最後に、ガンマ線バーストという爆発現象を起こします。強力な放射線のレーザービームです。ガンマ線は宇宙空間で飛び交っても、地球のオゾン層がそれをバリアしてくれます。
ですが、あまりにも強力だとオゾン層も破壊されてしまいます。そうなると、その影響が直接地球上に及ぶわけです。
地球の生命はこれまで何度か大量絶滅をしたことがありますが、その理由がもしかしたらどこかの星のガンマ線バーストが関係しているのではないか、と調べている人もいるようです。
もっとも、ガンマ線バーストはどの方向に飛んでくるか予測することができるみたいで、今の感じだと地球上には飛んでこなさそうとのこと。
わからないことだらけ
とはいえ、今回のベテルギウスの減光が本当に寿命だからかどうかの確証もなく、さらにはもし寿命だったとしても、消えるのがいつになるか、数百年、さらには数万年先の話かもしれません。
スケールが大きい話なので、不思議ですね。いつか地球からオリオン座が見られなくなる日がくるのでしょうか。