これまでも人間は疫病との戦いを何度もしてきました。古代より、大きな疫病を乗り越えるたびに時代がひとつ進むというパラダイムシフトを経験しています。
今回のコロナウイルスに関しても、これから10年ほどかけてゆっくり変わっていくであろうと思われていたことが、ひとつ、またひとつとハイスピードで変化していくであろうと思われ、その歪みはコロナ収束後に訪れるでしょう。
今回の動画
ベーシックインカム導入はありえるか
そのハイスピードの変化のひとつが、ベーシックインカムです。
このアヤノ.メでも何度か触れたテーマですが、前澤社長のお年玉キャンペーンをきっかけに日本国内でもその言葉を知る人は増えましたね。
この2020年代でゆっくりと時間をかけて議論をすすめ、実際に導入されるのははるか遠い未来だろうとは思っていました。しかし、今回のコロナ騒動をきっかけに、世界各国でベーシックインカム導入についての議論が進む可能性があります。
現に、スペインでは大臣がベーシックインカム導入について言及しているという報道がありました。
スペイン、新型コロナウイルス対策としてベーシックインカムを導入へ(BUSINESS INSIDER JAPAN) – Yahoo!ニュース
報道が出たものの、まぁさすがにすぐに導入することはないかなと思っています。財源など、クリアすべき課題もたくさんあります。ベーシックインカムを導入したら人々は働かなくなるのか、という精神面の問題もまだクリアできていませんしね。
ベーシックインカムとは、未来の社会
そもそもベーシックインカムとは、全国民に対し、毎月固定のお金を渡す仕組みをいいます。
具体的にいくら、という規定はありませんが、基本的な考え方としては、5000円とか1万円とかお小遣い程度のお金ではなく、10万円~といった最低限暮らすことができる金額を渡すということです。
やり方についてはいろいろな議論がありますが、基本的にはお金持ちも貧乏人も、年寄りも子供も、分け隔てなく同じ金額を渡す、というものとして認識しています。もちろん、同じベーシックインカムでも支給金額に差をつけるべき、という論もあります。
実際問題、毎月10万円とかお金をもらえるのであれば、ありがたいですよね。
じゃあそのための財源は?みたいな話にもなってくるのですが、実はこのベーシックインカムの議論には別の背景があります。
それがAIです。AI抜きにベーシックインカムを語るとややこしくなります。
将来的にはAIが発達し、人間に代わって多くの仕事を効率よくやってくれるようになります。人間も、人間が働くよりもAIが働く方が効率がいいので、下手に働くよりも、多くのことをAIにお願いしたほうがスムーズだ、という大前提がまずあるところからスタートします。
そうすると、人間はなにもせずとも、勝手にAIがお金を稼いでくれるわけです。そのお金で人間を養ってもらう、という考え方で、ベーシックインカムが登場するわけです。
全人類がAIのヒモになるということです。財源は必要ありません。社会の仕組みが変わるということです。
まぁつまり、ベーシックインカム論というのは厳密にいうと、SFの話なんです。今回コロナがあったから導入しよう、というのは順番が逆でして、果たしてうまくいくのだろうか、という懸念があります。
社会はどう動くでしょうか。