社民党はこうあってほしい


社民党が大きく揺れています。

民主党政権が樹立されてから、その流れをくむ立憲民主党や国民民主党が野党のイメージが強いですが、もともと社民党は歴史的にも日本の一大野党として存在する政党でした。

しかし時代の流れとともに近年は支持者を失っているのか、現在は国会議員は4人しか所属していません。

そのうち3人が離党する可能性が高まっていることが先日より報道されています。報道ではほぼ確実みたいな言い方がされていますが、どうなることでしょう。

社民党の成り立ち

社民党は正式には社会民主党といいます。初代党首は村山元首相で、1996年に結成(改名)されました。

このころには民主党(民進党)も力をつけており、この段階で完全に合流するアイデアもあったそうです。

その少し前までは自民党と連立政権を組んで、総理大臣まで排出した政党です。しかしこの党名を変えたあたりは、政局も大きく動く時代で、あっちこっちが名前が変わったり、所属政党が変わったり、もうなにがなんやらという時代でもありました。

そういう意味では、今は与党も野党も比較的安定しているようにも思えますね。

そんな社民党ですが、結成以来徐々に野党勢力としても力を発揮できなくなってしまいます。

社会民主党の社会とは、社会主義の社会

社民党は96年結成と書きましたが、もともと改名する前は日本社会党という政党でした。

戦後間もない1945年に結成され、共産主義とは違う形で社会主義を目指す政党でした。自民党結成はもっと後なので、自民党よりも古い政党です。

共産主義とか社会主義とか、なんか日本は拒絶感を持つ人もいるかもしれないです。あさま山荘事件や北朝鮮のイメージもあるかもしれないですね。そんなこともあってか、日本社会党時代も後半はそういったイメージの払しょくに努めていた印象もあります。

共産主義と社会主義の違いについても、前にも話したかもしれませんが、気が向いたらまたお話したいですね。

今はなんか民主主義じゃないとダメみたいな雰囲気がありますが、1900年代前半は決してそんなことはありませんでした。マルクスが19世紀に唱え、レーニンがそれをソビエト連合で実現を目指した社会主義ですが、当時の日本でも社会主義を導入すべきと考える人はいました。しかし戦争が始まってしまうとなかなかそういった動きも出せなくなりますが、戦後に再び議論が活発化していきます。

もちろん日本で社会主義を目指す上でもいろいろな考え方があり、一部では天皇を打倒する考え方もあったようですが、天皇を中心とした新しい社会主義国家の樹立という考え方もあるそうで、なかなか興味深いですね。

戦後日本の55年体制下に置いて、野党の第一党として存在をし続けていました。

社民党は独自カラーを強く持つべき

社民とは社会民主主義という考え方を掲げています。政治の仕組みを社会主義にしろというのではなく、民主主義の制度の中でいかに平等で格差がない社会を目指すことができるか、という考え方です。

社会主義というと悪いイメージを持つ人も多いでしょうが、根本的な考え方としてダメなわけではありません。ただまともに実現するのが思った以上に難しく、20世紀は世界各国がいろいろ挑戦はしたものの、ことごとくうまくいきませんでした。

政治にはいろいろな考え方があって然るべきだと思っています。社民党に関してはもっと本来の考え方を重視し、21世紀における日本での新しい社会主義の在り方を現代にズバッと提案してほしいなと思います。それができないならばここで”社会”を党名にいれるべきではありません。ぶれない政治理念を持ち、それがたとえ世の中の本流にならないとしても、多くの選択肢があることでそこに議論が生まれ、それぞれの理解が深まります。