世界には数多くの通貨があり、その価値は相場によって変動しています。なかなか普段の生活で意識することはないですが、現在は1ドル111円ほどです。ここ10年くらいで1ドル70円台のころもあれば、120円台のころもありました。そう考えると、安定しているといわれる日本円もけっこう変動しています。
日本だけで完結している経済であれば関係ない話ではあるのですが、経済は世界規模で行われています。1ドル70円のとき、120円のときでは多くの企業はまったく状況が変わります。それは決して輸出輸入業だけが関係しているわけではありません。小麦などは多くを輸入していますし、ラーメン屋も関係してきます。むしろ、関係のないものを探すほうが難しいかもしれませんね。
とはいえ、1日で急に70円が120円になるわけではありません。
下落するトルコリラ
ちょっと楽天証券のチャートで紹介します。
トルコではリラという通貨が使われていますが、この10年間のトルコリラの動きを見てみましょう。
10年前くらいに劇的に下がって、その後も下がり続けています。そしてつい先日もまた急落しました。普通に考えると60円が20円になるというのは三分の一ですから、1ドル120円が40円になるようなものです。10年前はもっと高かったわけですから、その変動はすさまじいものです。
先日は1日で20パーセント近くも変動したようです。トランプ大統領の発言で変動したのですが、トルコ在住の米国人牧師拘束問題でアメリカとトルコの関係性は悪化しており、今後の動向にも注目が集まります。
しかしここまでくると、通貨としての信頼はかなり薄れているといってもいいでしょう。トルコでは多くの市民が安定している外貨へ両替をしているという報道もあります。そうなるとますますこの流れは加速してしまいますね。
投機としては人気も
トルコリラは高金利で、金利目的でトルコリラを持つ投資家もいるそうです。ドル円よりも変動幅が激しいので、瞬間的なマネーゲームにはいいかもしれませんが、かなりのリスクを伴います。
また、外国人でトルコで働く人にとっては、1日で20%も変動するというのは、ある意味給料が20%なくなってしまうようなものですからね。日本代表の長友選手はトルコでプレーしてますが、トルコリラで給料がでているのであれば、大幅減俸みたいな感じになっちゃいます。トルコに住んでいる人でも同じで、持ってる資産を世界目線にすると1日で20%下がったのと同じです。外貨に換えたくなる気持ちはわかります。
なんにせよ、政治的な緊張は経済の緊張にもつながるということで、どうにかしていい方向へ進んでくれるといいんですけどね。