住宅の検索サイトを使えば、全国ありとあらゆるマンションを検索することができます。しかし当たり前ですが、築100年、築200年というマンションは存在しません。
しかし、これからも時間が進めば、いずれ100年、200年の時は過ぎるのです。時間は止まってくれません。
いつかは必ず直面する問題、それが老朽化マンションの問題です。
修繕積立金が足りるはずがない
老朽化マンションというのは、建て替えが実は難しいのです。建て替えにはお金もかかりますし、住んでいる住人に出ていってもらわないといけないわけで、手間もかかりますよね。お年寄りだったら、別にこのままでいい、と思う人もいるでしょう。現在は住人の8割がOKを出せば建て替えができることになっています。
また、建て替えといっても誰かが勝手にやってくれるわけではありません。住人が金銭的な負担をすることになります。それも数万円レベルではなく、場合によっては数千万円の負担を強いられる可能性もあります。
実際問題、築50年を超える老朽化マンションが増えてきているにも関わらず、建て替えが進んでいるケースは少ないのが現実です。
建て替えといかずとも、マンションの設備のどこかが壊れる、ということはあり得る話で、それは直さなくてはいけません。そういうのも誰かが勝手にやってくれるわけではなく、修繕積立金をしっかり集めてそこで賄うのです。ですが、とにかく新築のマンションを売りさばかねばと修繕積立金を下げて売るケースも多いのも現実です。古いマンションになると、この修繕積立金が徐々に値上がりしていきます。しかし、それも人が住んでいるからどうにかなっていることです。大きなマンションがもしガラガラになってしまったら、とてもマンションを維持できる修繕積立金を住人が負担できるわけがないのです。
懸念されるスラム化
現在、みなさんもご存知の通り、東京だけでなくあらゆる場所でタワーマンションが乱立しています。
今はどこも築浅で、街もきれいで、いい環境かもしれません。しかし、50年後の日本、50年後のそこの町がどうなっているかなんてわかりません。しかし、マンションは残ります。
タワーマンションは巨大で、建て替えや整備にはそれなりのお金がかかります。今はどれだけ一生懸命修繕積立金を集めて健全な運営ができたとしても、50年後にどうなっているかは予想できません。もしどこかで運営に影が見えてくると、ゴーストタワーマンションが登場する可能性も捨てきれません。
不動産や資産に関する法改正も合わせながら乗り越えていかなければならない問題です。不動産を持つというのも大変なことですね。