先日、コンゴから帰国した女性が発熱を訴え、エボラ出血熱の検査をしたということでニュースになりました。
幸いにしてインフルエンザだったようですが、エボラ出血熱は名前は有名ですが、日本人にとってはまだまだ未知の病気です。
どうしてもこういうニュースがあると、不安が先行してしまいます。
これを気に、どんな病気なのかおさらいしておくことが大事です。
エボラ出血熱とは
エボラ出血熱とは、エボラウイルスに感染することで発症する病気です。高熱に加え、文字通り体中から出血を起こし、致死率は50%から90%といわれ、かなりの凶ウイルスです。
世界で最初に見つかったのは1970年代と比較的新しい病気です。これまで何度か流行し、2014年には1万人を超える死者を出しました。今年もアフリカ中部では流行し、WHOが緊急事態宣言を出しています。
また、完全な特効薬やワクチンはまだ開発されていない状態です。
今のところは世界中へ広がってはいませんが、なにかをきっかけに広まってしまう可能性もあります。
そうならないように、ギリギリのところで踏みとどまっている状態なのでしょう。
現地では流行を防ぐために封じ込めを行いたいところですが、治安悪化もあり医療機関が襲撃されるなどし、そういった外因からも拡散を防ぐのが難しくなっている現状です。
感染経路
さてここが重要ですが、その感染経路については正しく知っておく必要があります。
これを知るか知らないかで、もし日本国内でエボラ出血熱の発症例があったとしても、余計な不安が拡散するリスクを減らすことができます。
そもそもの感染パターンですが、本来はコウモリが持っていたもので、そこから人間に感染したというのが現在の定説です。同じように猿などの霊長類も感染しており、コウモリだけではなく野生の猿などから感染する可能性もあります。
流行地域で患者と接する機会はなくとも、こういった野生の動物から感染するパターンはありえます。
では人間同士だとどうでしょうか。
エボラ出血熱の特徴としては、空気感染をしないということがあります。そのため、インフルエンザに比べれば、一気に広がるリスクは少ないのです。
患者からの分泌物に直接触れ、傷口などから体内に入ることで感染します。分泌物というのは具体的には嘔吐物、血、肉、唾液、粘液、排泄物、汗、涙、母乳、精液などにあたります。そのため、ドアノブであったり、トイレの便座などでも、場合によっては感染する可能性もあります。
また、やっかいなのは地中の湿った土壌にウイルスが留まる可能性もあることです。
とはいえ、医療関係の人か家族は感染する可能性はあれど、その周辺の一般人に一気に広がるような病気ではないことを理解した上で、万が一日本で患者が出た場合も対応しなければなりません。
今のところは日本国内で猛威を振るうようなものではありませんが、これだけ人や物が流動的に動く世の中ですし、潜伏期間も最長で20日ほどと長い病気です。いつか日本国内でも広がるような恐ろしいことはあるのでしょうか。