ついにサイレント盆踊りまで?サイレントブームと騒音問題はどこまで行くのか


騒音問題は、この現代社会ならではの問題です。

京都でやっている講義「音楽とテクノロジー」でも触れているテーマで、音にまつわる話をする上で避けては通れない問題です。

サイレントブーム

近年は、サイレントブームが起きていると感じています。

音に対しての敏感さは、戦後高度経済成長期を経てセンシティブになってきていますが、近年はモラル向上だけではなく、テクノロジーの面でもそういった問題に取り組んでいます。

騒音の代名詞でもあるのが、機械的なノイズです。例えば自動車の走行音であったり、家電の動く音であったりと、そういった生きていく上で避けられない音です。

しかしこういった音も、技術の発達により静音化がだいぶ進みました。少しずつグレードアップしていくのであまり気づかないところもあるかもしれませんが、昔の頃をよく思い出してみてください。もっと音は大きかったはずです。

(昔の写真などで風景を思い出すことはできても、音って意外と記録されてないので覚えてないんですよね。このあたりの話はこちらのブログでも。)

音楽が好きな人でも意外と忘れがち!みんながスルーしがちな音の世界

音楽関係でもサイレントブームの波は押し寄せています。

この騒音問題が社会へ明るみにでた事件でもあるのが、ピアノ騒音殺人事件です。ピアノに関しても電子ピアノの普及により、昔に比べれば住宅街でピアノの音が聞こえてくる機会は激減したと予想されます。

ピアノだけではなく、バイオリンなどもサイレント化が進んでいます。また、個人用の防音室なども売られるようになり、楽器周りでの音漏れについてはかなり進歩しています。

イヤホンでも周りの騒音を位相を逆にすることによって打ち消すというノイズキャンセリング機能がついたものも増えました。こういった商品が登場するのも、騒音に対して敏感になっている表れでもあります。以前だったら周りの騒音を打ち消すために爆音で音楽を聴く人がいましたが、ノイズキャンセリング機能によって、昔ほど爆音にしなくても音楽を楽しむことができます。

結果、電車内などの音漏れも少なくさせるという効果も期待されます。

盆踊りまで?風物詩と騒音

金沢でサイレント盆踊りが行われたというニュースがありました。

“次世代の盆踊り”は会場が無音…イヤホン装着して踊る『サイレント盆ダンス』 騒音問題などなし(石川テレビ) – Yahoo!ニュース

参加者は全員イヤホンを装着して盆踊りをするということで、傍から見てると無音でただ踊っているという形になります。

なかなかシュールですが、不思議な試みです。

まぁ盆踊りが騒音なのかという話は同じようなものがたくさんあり、除夜の鐘や風鈴の音が騒音か、という議論がないわけでもありません。

なにも将来の盆踊りが全部これになるとは自分も思ってません。主催者がどう思ってるかは別としても、なにかこの社会のアンチテーゼ的な試みも感じますし、こういうの嫌いではないです。

そのうち、サイレント音楽フェスも誰かやり始めたりして?